何が、あったのだろうか。


 何か、やってしまっただろうか。



 あぁ、どうすればいいんだよ。





 あの組織が、唯一の拠り所だったのに。


 親との関係が悪くなって、そのまま家を飛び出して、その時によくしてもらって、そのまま今に至っている。


 もう、あんな家には、居たくない。



 誰か、助けてくれよ、




 誰も、来てくれないとは思うけど。


 やっぱり、孤独はきついな。



 あぁ、恋しくなる。あの時間が。


 きっと、長は僕の将来が、まだ正しい道に進めると思い、やってくれたのだろう。


 それでも、僕はあそこに戻りたい。


 ならば。僕もそれだけの「決意」を覚さなければならない。


 ドンドンドン


 再び、戸を鳴らす。


「こんにちは」


「なぜ、来た。」


「僕は、あなたに命を賭けます。そう言えばわかりますか。」


「ふふ、本当にいいんだな?」


「えぇ。」


 これで、もう後戻りはできない。


 僕の命は、彼女に賭けた。

 これで、僕は彼女のために消えた。


「今、君は私のために人生を捨てた。そのことを忘れないでくれ。」


 彼女は、そう言った。そして、


「君は、全世界を傷つけることになる。それも、よく理解しておくんだ。」


 と、言った。

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