床で寝るということ
廃棄予定の夢分子発生装置
砂漠化した教室で
台風で帰れないのか。雷も時報として機能しなくなってきた頃、既にずっと暗いこの教室……の外は、電気的なノイズにも似ていた。
突拍子も無く眠気から覚めてみたならば、蛍光灯も白色と呼ぶには若干物足りなかったが、それでも十分に明るいのは……この部屋のことだから。
結局、蛍光灯の灰色に照らされていて……それが僕達である。窓の外は存在しない。テレビの砂嵐の奥が存在しないのであれば、同じことである。
濡れて帰ってきた訳ではない。濡れて帰っていく前である。それでも僕達はもう(多分、昼間。今が昼でないかははっきりとしない。)潜り抜けたかの様な認識で、必ずしも嫌なものではないという意味での倦怠感を携えて、この明るみに屯している。
異質な時刻。帰れないことは無いが、帰らない。そうした意味ではやはり帰れない。
先生が映画を持ってきてくれた。僕達はタバコに火を点けた。そういえば、僕達……いいや。君達は何年生であっただろうか。僕は今……。
太陽が登った。一回以上は沈んだというのは本当らしい。それと今電気が消えて尚明るいということとは関係が無いが、兎も角、僕と君以外は蒸発したのだった。(君達は君ということの言い間違い。)雨音はもうしないか。そもそも一度もそんなこと(雨音)を言った例は無いか。
窓の外は未だ無いが、壁も天井も消えてしまったというのは本当である。床は、砂である。ただ今、僕と君とで部屋の中。
床で寝るということ 廃棄予定の夢分子発生装置 @surume-dynagon
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