第10話 大きいのは嫌だと言われた話

僕はあそこが大きくて女性に喜んでもらえたこともあるが、逆に大きさが理由で嫌われたこともある。


最初に付き合ったタイ人の彼女は、僕のあそこの大きさを見た後、豹変した。


結局挿入まで至らず、僕らは別れた。


韓国で出会った韓国人女性も、同様に僕のあそこの大きさを見て、「人間じゃない!」とドン引きした表情で言い放った後、口をきいてくれなくなった。


嫌われたとはいかなくても、驚かれたり、痛がられたり、入らなくて困ったこともある。


また、以前付き合っていたメキシコ人彼女のように、ひたすら笑われ続けたこともある。


詳しくは他の章や国際恋愛体験を記したエッセイを読んでくれると嬉しい。


上記に加えて、面と向かって、嫌だと言われたこともある。


あれはTinderで出会った歳上のおばさんとお酒を飲んだ後だった。


そのおばさんは30代半ばとかで、わりと歳がいっていた。


Tinderのプロフィール写真は斜めや横顔ばかりでよくわからなかった。


また、プロフィールには年齢を隠していたため、聞いて初めて教えてくれたが、それも本当かどうかわからない。もう少し老けているようにも見えた。


少し、謎が多い人だった。


メッセージのやりとりは面白かった。


かなりオープンな人で下ネタを散りばめたメッセージのやりとりは当時な僕には刺激的だった。


この人といつ出会ったのかは覚えてない。


留学前か、韓国人の元カノと別れた後か、社会人になってからか…。


しかし、歳上好きになった後だから一応女性経験はそれなりにあった頃だったと思う。



その日は夜の居酒屋で待ち合わせていた。


顔がよくわかなかった上、話を聞く限り、それなりに歳がいっている。


そんな人とデートをするのは緊張した。


緊張しすぎて帰ろうかと悩んでいたのをよく覚えている。


その人を居酒屋で待っていると、後ろから声が聞こえてきた。


声は優しそうな素敵な声だったため、安心した。


期待を胸にその人の顔を見ると……これ以上は言えない。


しかし、僕のテンションはガタ落ちした。


正直、すぐに帰りたかった。


でも話してみるとやっぱり面白かった。


下ネタ混じりでなんでも気さくに話をしてくれて、話は面白いと思ったことは間違いない。


しかし、この先はないと僕の心は確信していた。


その人は結構な酒豪で強い酒をがんがん飲んでいた。


一通り話も終わって沈黙が増え、そろそろ帰るかと思った。


それじゃ、僕くんとの体の相性を確かめようかな…といったようなことを言い出した。


僕は驚きながら帰りますと言ったが、女の誘いを断るな〜と大声で騒ぎ出したため、僕は焦って承諾してしまった。


どうやって逃げるか考えながらその人の後をついていった。


このままダッシュで走れば大丈夫と思いつつ、また大声を出されると思うと怖くて勇気が出なかった。


すると僕らは安い古びたラブホに着いた。


ホテルに金はかけるものじゃない、とその人が言うのだ。


たしかに、この人と寝るのに高いホテルには行きたくなかった。


中に入ると古くさい家具ばかりで少しタバコ臭くもあったかもしれない。


居心地は悪かった。


シャワーを浴びるとその人の膨れ上がったお腹と小さな胸が、でん!とベッドの上に置かれていた。


僕は全く興奮しなかった。


僕はベッドの中に入って背を向けると、その人は、私が攻めてやらないといけないのかと言いながら僕のあそこを口に咥えた。


69だねー!とか機嫌良く言われたが、僕はそれはもう、とってもやる気がなかった。


だから、ただの6になった。


しかし、不覚にも僕のあそこは大きくなってしまった。


意外にも気持ちよかったのだ。


大きくなると僕のあそこから口を離して大声で言った。


でっか!でかいねー!なんでこんな大きいの!?


数分くらい叫んでいたように感じる。


僕は恥ずかしくなった。


備え付けのゴムはもちろん入らなかった。


仕方ない、生だね〜…と言いながら僕の上に乗ってきた。


僕はその人の体を見たくなかったから目を手で覆った。


するとやっぱりこの人はうまかった。


正直、気持ち良いと思ってしまった。


そしてそれが妙に悔しかった。


美女を想像しながら手で目を隠せば誰とでもイケることを僕はこの日学んだ。


その人が腰を動かしている間も、大きい大きいと言われ続けた。


行為が一通り終わると、また大きいと言われた。


これほどサイズのことをしつこく言う人はそう多くない。


もともと下ネタが多かったし、こういう話が好きなのかもしれない。


そこで僕は思い切って聞いてみた。


みんな大きいと言うんですが、長さが大きいんですか?太さ?


そう、この頃僕はいまいち何が大きいのかわかっていなかった。


自分のものが大きいと自覚したのは子どもの頃。


大人の、それも勃起した物なんて生で見たことなど当然ない。


ひょっとしたら今はそれほど大きくないのではないかと考えることもあったのだ。


長さはある。たしかに他の人より長いし、平均はゆうに超えている。しかし、動画なんかでは素人ものでも僕より長い人はたくさん見てきたし、20cm超えていないなら言うほど大きくないのではないかと思っていた。


太さもある。平均の倍近くある。しかし太さなんて比較したことがあるわけではないからわからなかった。


その人はすぐに答えてくれた。


長さもある。でも太さだね。横幅がすごい。


なるほど…。やっぱりそうなのか、と色んなAVを見て少し不安になっていた僕は少しホッとした。


やっぱり大きいと痛いんですか?


鼻の中にきゅうり入れられるの想像してみ?痛いでしょ。


ああ、なるほど、とこれも納得した。


今、はっきり言ってかなり痛かった。遅漏だと大抵の女性はつらいだろうね。僕くんが早漏でよかったよ。


とまで言われた。


じゃあ、やっぱり大きさは大事じゃないんですね?


うーん、大きいのが好きな人は好きだろうね。私もある程度大きいのは全然好きだけど、これほど大きいと嫌だね。


あ、じゃあ僕と次はなしですか?笑



うん、はっきり言って無理!笑 次はないよ!笑


笑顔で言ってくれたからよかったものの、こちらから願い下げだと思いながらホテルを出た。


しかし、外見は好みではなかったが、あそこまではっきり言ってくれたことは助かったし、話した内容は有益だった。


僕は改めて、女性と寝る時は丁寧に挿入しようと気をつけるようになった。


もっとも、僕は受け身の方が好きなのだが。

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