第2話 不朽の火
不朽の火を求めて空を旅するカラスの王子さま。懸命に空を飛ぶ。美しい黒い羽に汗の露が光る。激しい息づかい。真剣なまなざし。たったひとりで空を飛ぶ。まるで竜のように。不朽の太陽を求めて。
静かな無限の情けに眠る。夜のとばりがおりる。無限の暗闇が旅人を包み込む。今はもう何も見なくていい。魂を静かに休めよう。夜の女神がそう告げているようだ。長旅で使い古した茶色いテントに静かにはぜる夜の焚き火。美しいオレンジ色の炎。引き込まれるようだ。その不朽の瞳に。仲間たちとの憩いのひととき。これからも長い冒険が待っている。
朝日さす幸せの窓辺で朝の鳥の口づけ。陽光のもと白いシーツのベッドで目を覚ます。鳥が不思議そうにわたしを見つめる。わたしもまた人生の旅人。命を懸けた冒険はないが豊かな精神の旅をしている。飛び去った鳥は知っている。すべてを知っている。みんな、深いところで知っている。わたしたちがつながっていることを。
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