幼馴染が飼ってるインコを預かったらとんでもなく幸せになった
じゅんや
第1話
俺の名前は石川(いしかわ)裕也(ゆうや)。
現在、高校2年生。
俺には同い年で幼馴染の、水瀬(みなせ)栞(しおり)がいる。
栞はうちの家の隣に住んでいて、昔からよく遊んだりご飯を食べたりして今でもすごく仲が良い。
その栞が明日から旅行へ行くということでしおりの家で飼ってるセキセイインコを預かることになった。
インコの名前はみみちゃんだ。
「ゆうくん、明日からみみちゃんのことよろしくね。そこまで気を使わなくて良いけど、お水をあげたり餌をあげたりは欠かさないでね。」
「わかっってるって。俺はそう言うところはしっかりしてるからさ。」
「まあそうだね。あ、そうそう。変なことを覚えさせないでね?た、たとえば、えっちなこととか?」
「栞、俺をなにだと思ってるんだ?」
「大丈夫だとは思うけど、一応ね。」
「まったくもー。」
と話して次の日になり、栞は俺の家へみみちゃんを預けて旅行へ行ってしまった。
で、今は、餌をあげ終わって水も変えて一息ついているところだ。
みみちゃんは餌がもらえたのか、元気に何かを話している。
はっきりとはなにを話しているかはわからないが、時々「しおりちゃん」とかって話しているのはなんとなくわかる。
こうしてみると、インコも悪くないなあ。
そう思いながら、いつものルーティーンをこなしていく。
みみちゃんの声を聞きながら、作業をしていると、ふと何かはっきりしたことを言い出した。
「ゆうくん、大好きだよ。私、ずっと好きだったんだよ?まあゆうくんは鈍感だから気づいてないかもだけど。」
「おいおい、まてまて。今はっきりと喋ったぞ?インコってこんなにはっきり喋るものなのか?」
そう、みみちゃんが明らかに栞が普段言っているだろう言葉を話してる。
てかなんだよ。
これ、完全に両思いじゃないか。
俺も栞のことは大好きだ。
もちろん幼馴染だからってのもあるけど、それ以上に恋人として好きだ。
でもそう言う話はお互いにすることはなかった。
でもこれではっきりした。
よーし、栞が帰ってきたら告白するぞ。
今まで、告白するのを躊躇っていた。
理由は簡単で、告白して振られたらその後はもう前の関係に戻れないと思ったからだ。
でもみみちゃんは栞の話す言葉を聞いて覚えたんだろう。
だったらもう確実にそう言うことだろう。
俺は色々告白の仕方を考えたが、気取っても嫌だしだからって難しい言葉を並べるつもりもなかった。
そうだ、シンプルがいいよな。
そう考えていると気がついたら栞が帰ってくる日になった。
夕方5時頃。
「ゆうくん、ただいまあ。帰ってきたよ。」
「おかえり。楽しかったか?」
「うん。温泉に入ったり、美味しいご飯を食べたりすごく楽しかったよ。あ、耳ちゃんのこと預かってくれてありがとう。これ、すごく美味しいって評判のクッキーだよ。」
「おー、ありがとう。嬉しいよ。」
「「みみちゃん、ただいま。帰ってきたよ。」
そう言って栞は耳ちゃんを肩に乗せた。
みみちゃんも喜んで羽をバタバタさせてる。
俺はそれをみて、独り言のように話し始めた。
「ゆうくん、大好きだよ。私、ずっと好きだったんだよ?まあゆうくんは鈍感だから気づいてないかもだけど。」
そうすると、栞はみみちゃんを肩に乗せてそのまま固まってしまった。
「ね、ねえ。ゆうくん。なにを言ってるの?」
「え?なんだろうな。俺も良くわかんないや。」
「ねえ、もしかして、みみちゃんが何か話してたの?」
「え?何かは話してたけどはっきりとはわからないな。」
「もう、ゆうくん。揶揄わないで。みみちゃんが話したんでしょ?」
「あはは、そうだよ。はっきりとな。」
「やっぱりね。もう。びっくりしたよー。でももういいや今まで告白を躊躇ってたけどこの際だし言うね。優くん、私水瀬栞は、ゆうくん、いや、石川裕也のことが大好きです。小さい頃に出会って1人で遊んでた私を誘ってくれてそこから一緒に遊ぶようになってそこから喧嘩もしたけどだんだん好きになってたの。そうすると、もう好きって気持ちがどんどん大きくなってた。でそれを1人で呟いてたらみみちゃんが覚えてしまってね。」
栞は俺に堂々と告白をしてくれた。
こうなったら俺もはっきり言わなきゃな。
「そうだったのか。栞、俺も言わせてくれ。俺石川裕也は水瀬栞のことがだいだいだい大好きです。俺も、告白を躊躇ってた。最悪元の関係に戻れないんじゃないかって思ってたから。でもみみちゃんがあの言葉を話した時にしっかり気持ちを伝えようって思ったんだ。」
「そうだったんだね。私、今すっごく嬉しい。お互いに同じ気持ちだったんだってこととみみちゃんが私たちのキューピットになってくれたこと。みみちゃん、ありがとうね。」
そう話して俺と栞はカップルになった。
まさかみみちゃんがきっかけで栞とカップルになれるなんて夢にも思ってなかった。
でもこれこそが俺と栞が望んでいた関係だ。
これからも幼馴染として、それから恋人として今まで通りいや、今まで以上に、栞を大切にしていこうと思った
幼馴染が飼ってるインコを預かったらとんでもなく幸せになった じゅんや @pianoman0421
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