心が不自由。主人公は幼い日の自分をそう語ります。それは大人になって知恵がついてから言うことで、当時の彼はそれらの言葉を知りませんでした。
言葉を知らなかった彼は、テンプレの言葉に頼りました。受けがいい言葉、そのまま受け取り喜ぶ周囲の人々。
このまま、騙され続ける人々はどうなるのか。周囲を騙し続けて、騙された人々に囲まれて暮らす主人公はどうなるのか。しかし物語は思わぬ方向に。
小説は先人の遺産を後追いするものが主流ですし、現実の私達は平凡であっても、自分の意思は自分で選ぶもの。小説の中の主人公と隣の女の子の二人は、まるで小説のような恋愛をします。
テンプレは山ほどあるのですから、使うテンプルを選ぶ責任は自分が負います。その責任を負った男の子の物語です。