第37話 休息

 王都へ到着したティセとノア

 ノートン、先に登録を済ませた選抜の5人と合流し買取りセンターへ行く


「すまないが、買取りを頼む」


「はい! 3番でお呼びします こちらお持ちになってお待ち下さい」


 ノアは3番の札を渡され、暫し待つ


「3番のお客様、1番の窓口までお越しくださいませ」


 1番の窓口へ8人で向かう

 1つの窓口に8人いると、少々目立つ

 ノートンが『乱玉』『素材』を置く


「それではまたお呼びしますので、少々お待ちください」


 8人で戻る 暫くしてまた呼び出しが


「3番のお客様、1番の窓口までお越しくださいませ」


 再度8人で、1番の窓口へ向かう


「先ずですね… 『素材』ですが、こちら全てで『19,7200ヨー』でございます

 本日の『乱玉』の買取り倍率は『2.2(100)』『2.3(500)』と、

 なっておりますが、よろしいでしょうか?」


「ティセ…『乱玉』は売るのか?」


「領主様、お金は持ってますか?」


「うむ、前回のが1000万ほど紋章にあるが…」


「ああっ!ダメだ、LV上げる為には、今日売らないとダメです」


「そうだったな… 勿体ないが仕方ない… 売るか

 それで良い、換金してくれ ただ売主はこの5人に均等に分けてくれ」


「はい、畏まりました 再度お呼びしますので、少々お待ちください」


 計算が終わって、窓口に店員が戻って来た


「『乱玉』22,955個(内100ヨー18,364個 500ヨー4,591個)

 その中で、100ヨーの34個がヒビ又は破損の為、買取り不可

 その中で、500ヨーの15個がヒビ又は破損の為、買取り不可

 100ヨーが、18,330個 こちらが2.2倍で、4,032,600ヨーになります

 500ヨーが、 4,576個 こちらが2.3倍で、5,262,400ヨーとなります

『素材』が『19,7200ヨー』ですので、

 合計 9,492,200ヨーとなりますが、よろしいでしょうか?」


「940… (7日分ほど少ないとは言え、毎回毎回この金額は麻痺するな)」


「どうかなされましたか?」


「いや…何でもない… それで頼む!」


「はい! 代金は『現金』ですか?『貯めますか?』」


「しょ…少々面倒になってしまい済まないが・・・

 その金額を5等分して、この者たちに貯めてくれ」


「はい! それでは5名様、紋章をお出しください」


 5人の兵士は、それぞれ手を差し出した


「はい!」「はい!」「はい!」「はい!」「はい!」

「これで完了致しました」


「それで今、この者たちに貯めた金を全て『私』に戻して欲しい」


「はい! 全額でございますね 畏まりました

 それでは6名様、もう一度紋章をお出しください」


 ノアと5人の兵士は、それぞれ手を差し出した


「はい!」「はい!」「はい!」「はい!」「はい!」「はい!」

「これで完了致しました」


「それで今度は、私から100万ヨーを引きだしてくれ 全て1万ヨーで頼む

 そして私からこの子へ、340万ヨーを、紋章で渡してくれ」


「はい! それではお二人様、紋章をお出し下さい」


 ティセとノアは、手を差し出した


「これで完了致しました 只今現金をお持ちしますので、少々お待ちください」


「(あれ・・・ 今何か??? たまにあるんだよな・・・)」


「ティセ、ギルドへ行って、残りの45名に登録させるようレイリアンに伝えてくれ

 それで、登録料を払ってくれ」


「はい、分かりました」


 ティセはギルドに向かった

 ティセはレイリアンに、登録させてと伝え、窓口で5人の分も含め50名分の登録  料を支払い、『送魔鏡』を使う


「まずは…『鬼』を・・・8個 これはトンネル用で…

 次は…『アラクネー』が…5個で…1,448,000 ぐはぁ 200万すっ飛んだ…     そうそう… これを4個と、これとこれを各1個買って終わり 決済…終わり

 

 あとは… 

 人材募集 集まれ!大工さん経験者

 勤務地 泡沫国 ノア男爵領【タカミ村】及び領内

 1ヶ月毎自動更新 日当1200ヨー 3食食事付


 下記の方を募集致します

 建築(家屋・木製城壁)200名まで 

 家を作った事がある または、木製城壁を作った事がある方


 仕事内容

 1.木製の城壁で村を囲う作業 家屋及び、出入りする門の作成

 2.木材の移動(搬入・撤去)組み立て、片付け、雑務等

 3.自らの経験・技術を駆使し、常識を覆す、凄い家の作製

 お仕事は『11月15日』より開始 期日が近いのでお早めに!


 応募者は『送魔鏡』から、自身最高の土木作業の感想をお送りください

 期日 〇月〇日 まで

 応募者は【ジュリア】募集担当が選考します

 どしどしご応募下さい!!

 

 これで完了! 全部終わったね・・・」


 買い物を終えたティセは受付けで商品を受け取り、少しの間ノアたちを待つ

 暫くしてノアたち7名がギルドに到着

 5名の兵士に、各々自分のLVを調べさせる


「お前たち、商人のLVはどれほど上がったのだ?」


 5名全員が、商人LV29と答えた


「ティセ、LV29で大丈夫か?」


「ええ~と…15と3×4=12で27だから大丈夫!」


「そうか!良かった… 約950万を5で割ったから200万弱

 恐らく、200万でLV30になるのであろう」


「ではお前たちは、もう一度職業を変えてくれ 今度は『魔法使い』だ!」


「はっ!」「はっ!」「はっ!」「はっ!」「はっ!」


 そして兵士50名の登録と変更が終わった


「レイリアン、ここにお前のを含め46万ヨーがある 全て1万ヨーだ

 これを5名以外の兵士に1枚ずつ配ってくれ

 それで自由行動で遊ばせてやってくれ お前もな」


「はっ! ありがとうございます! それでは失礼致します」


「あぁ、頼んだぞ」


 お金を配り終えたレイリアンたち46名は、思い思いに行動し始めた


「そういえば領主様って、職は何でレベルは幾つなの?」


「私は至って普通に戦士だが、レベルは分からんな・・・」


「じゃあ丁度ギルドにいるんだし、調べてみてよ」


「あぁ… 確認してみようか・・・」


 ノアは『送魔鏡』で、レベルを確認してみる


「戦士:レベル34 次の必要経験値は・・・残979

 もうすぐレベルは35に上がりそうだな」


「領主様、私さっき・・・ 何か変な感じがあったんですよ・・・」


「変な感じとは、具合でも悪いのか?」


「体とかは全然平気なんですけど・・・

 何か覚えたような感覚・・・みたいな?」


「それは私もたまにあるな・・・ 何かは分からんが」


「・・・ちょっと私も、調べてみますね」


 ティセも『送魔鏡』で、レベルを確認してみた


「!?これは!!! 領主様、紋章を眼球にします!」


「大丈夫か? 怖くないのか?」


「領主様も、多分やった方が良いかもしれませんよ」


「そうか・・・ では私が先にやろう…」


 ノアとティセは、紋章を眼球に変えた


「ティセ・・・ これは凄いな・・・ 私の情報が見える・・・

 しかも消したり、大きくしたり・・・ 色々考えるだけでできるんだな」


「そうみたいですね・・・ 領主様のスキルって、多分戦士の技なの…

 これをレベルで覚えた時に、さっきみたいに何か覚えた感じになるのよ」


「ノートンさん、乱玉入れてた布袋ありますか?」


「ん? あるぞ、ほら」


 ティセはノートンから布袋を受け取る


「領主様、ノートンさん、ちょっと見てて・・・」


 一同はティセを凝視する

 ティセの左側手前に、空間を切り裂き広がる謎の黒い『亜空間』が出現した

 ティセはその『亜空間』に、手にした布袋を放り込むと、

 出現した黒い『亜空間』は徐々に小さくなり消えてしまった


「ティセ・・・ 一体何をしたのだ?? 布袋はどこへやったのだ??」


「これが私の・・・ 商人のスキル『ストレージ』よ」


「商人のスキル… ストレージ? ティセ・・・ ストレージってなんだ?」


「ストレージってね、倉庫とか保管って意味なんだけど、物を収納できるの」


「収納できるって事は、勿論… 布袋はあるんだな?」


「そうみたい 今出すから待ってね」


 ティセは再度黒い亜空間を出現させた

 右手を亜空間に手首まで入れ静かに抜くと、掴んだ布袋が出てきた


「ほらね、出てきた!」


一同、度肝を抜いている


「ティセ、凄いスキルじゃないか・・・ そこに幾つ入るんだ?」


「大きさの上限は分からないけど、1000個入るみたい」


「1000個だと・・・ ここ数ヶ月、驚く事ばかりだ・・・」


「これで人間とか生き物も入れられたら、最高なんだけどなぁ」


「そこに入るのは流石になぁ・・・ まずいだろう?」


「今度生き物で実験してみますね!」


「・・・・・・ 良し、我々は飯を食べてから帰ろうか?」


「はっ!」


 ノアたち8人は酒場へ入った


「お前たち5人、自己紹介をしてくれないか?」


 兵士:レイン 兵士:エッジ 兵士:クロノ 兵士:ライズ 兵士:デイル


「そうか! 皆良い面構えだ!

 明後日から訓練をしてもらうのだが、その前の息抜きだ

 今日、明日帰って1日の2日間自由に楽しんで欲しい

 ここに1人2万ヨーある これで遊んでくれ 他の者は1万ヨーだから内緒だ!

 ではティセ、お願いする」


「はい!ティセです よろしくお願いします

 これがみんなにお配りする『護姻環』ですが、まだ着けないで下さい」


 ティセは『護姻環』を配る


「そこにある『護姻環』は、1つが『アラクネー』4つが『鬼』です

 みなさん『鬼』は見た事あると思いますが、『アラクネー』は、蜘蛛の魔物です

 この蜘蛛の魔物『アラクネー』は、糸で罠を張ったり、縛ったり得意です

 もちろん戦っても、相当強いです 多分鬼より強いはず

 みなさんの『眷属』になるこの子たちを、可愛がって面倒を見てあげて下さい

『眷属』になったこの子たちの『親』になる気持ちでお願いします

 訓練は秘密の場所があります 知ってると思いますが、『不越山ふえつのやま』の向こう側です

 今、『坑道トンネル』を掘っていますが、その向こう側です

 そこでは今『ワイバーン』と言う魔物を訓練しています

 その『ワイバーン隊』の隊長さんがケニーさんです その方が皆さんを指揮します

 なので頑張ってこの子たちを、思い通りに動かせるようにして下さい 以上です」


「ティセが言った通り明後日からだ、みな頑張ってくれ!

 さぁ、好きな物を食ってくれ! お~い、注文を頼む!」


「はっ!」「はっ!」「はっ!」「はっ!」「はっ!」


 こうして食事を終えたノアたちは、5名の兵士と解散し帰路についた

 村に到着した一行 ティセはノアにとある質問をぶつけた


「領主様… いつも夜寝る時は『メルゼイン』様と一緒ですか?」


「なっ、、、、なんだいきなり・・・」



 次回 第38話『解放』

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