第33話 避難

 ワイワイ商会セバスとの会話後、王都に到着した

 ティセはギルドに入り『送魔鏡』を使う


「『お知らせ』? 水車技師ダニー様より 返信がございます →確認 →削除

 ああ~領主様が言ってた、今後必要になる人だって… →確認

 なになに? ・・・・・・・・・・・・・お待ちしております ダニー

 なるほどね、じゃあ…・・・そういった事情でして、お待ち下さいね ティセ…

 これでよし! そしたら今度は商品の検索っと・・・

【ジュリア】の商品は、検索の仕方が分からないのよね

 そうそう、『送魔鏡』の中古品… ないねぇ・・・『送転幕』中古…ないな~ 

 中古品なら安いのあるかなって期待したけど、やっぱ無い・・・

【ジュリア】…『カタログ』・・・ あったけど1億…だめだ

 次は魔物・・・魔物もなぁ、指10本だけってのが… 無限に使えれば良いのに!

 今の私は『有翼のユニコーン』『ジャックフロスト』『雪ん子』の3人

 この前買ったのを職人さんの弟子に使いたいんだけど・・・弟子… 弟子か…

(ティセ→弟子(予定) を、職人→弟子 でも良いけど、職人さんが帰ったら、

 その子はどうなるのかしら?

 職人→弟子からのティセ→弟子 に変えられる?

 ティセ→弟子→弟子の弟子→弟子の弟子の弟子 なら無限だけど…さすがにねぇ

 そう言うのって、調べるより聞いた方が早いんだよな…)


 ティセは、ギルドの案内係のお姉さんに聞いてみた


「すみません、ちょっと『護姻環』について、聞きたい事があります」


「はい!どのような事でしょうか?」


「一度着けた『護姻環』を、他の人にあげたりできますか?」


「はい、可能でございます その場合、魔物のLVはそのまま維持されます

 ですが、覚えた事などの『記憶は消去』されますのでご注意ください

 しかし3者が、教会にて手順を踏めば『記憶は消去』されずに移行できます

 詳しくは教会にお問い合わせ下さい」


「『護姻環』は、1人10個までですか?」


「はい、そうです」


「例えば、足の指なんかに着けたら、もっと増やせるとか…ありません?」


「申し訳ございませんが、存じ上げません」


「ん~、私が着けてる『護姻環』で、眷属うちの子になった魔物に、違う『護姻環』を

 着けさせたら、どうなりますか?」


「申し訳ございませんが、存じ上げません」


「じゃあ【ジュリア】の人に会えますか?」


「申し訳ございませんが、受け付けておりません」


「この世界の図面が『送魔鏡』で見れると聞いたのですが…」


「はい!ここをこうこうこう そしてこの項をぺらぺーらで見る事ができます」


「これを紙に写したりできますか?」


「はい!1,000ヨーになります」


「ではお願いします」


「お支払いは現金ですか?紋章ですか?」


「紋章でお願いします」


「…それでは紋章を、左右どちらかの壁にあてて下さい はい、完了です

 お帰りの際、窓口にてお渡ししますが、以上でよろしいですか?」


「はい!大丈夫です ありがとうございました」


 案内係のお姉さんは、戻って行った


「(【ジュリア】の人に会うには、アレしかないんだよなぁ~

 アレだと、どんな人を…う~ん

 もう思いつかない・・・から、これでいいか…)」


 人材募集 集まれ!英雄!! 

 勤務地 泡沫国 ノア男爵領【タカミ村】及び領内

 1年契約 年俸 50万ヨー

 1年の契約を満了した場合、更に10万ヨー進呈


 下記の方を募集致します

 魔法使い 1名 

 魔王を倒した事がある または、倒せる実力のある方


 仕事内容

 1.後継者育成(当方指定の者)技術伝授、魔法が効かない時の対処など

 2.若者への教育 結界の展開等(拒否権はございません)

 3.自らの経験・技術を駆使し、既存魔法の転用など新しい活用方法

 お仕事は『11月1いっぴ』より開始 期日が近いのでお早めに!


 応募者は『送魔鏡』から、自身最高の体験談をお送りください

 期日 〇月〇日 まで

 応募者は【ジュリア】募集担当が選考します

 どしどしご応募下さい!!


「ちょっとふざけ過ぎたかも知んないけど、まぁいいか!

 それと、何かの時の為に『鬼』でも買っとくか 20個ポチ

 決済っと・・・これでよし」


「あとは商会ってどんなジャンルがあるのかしら…

 職人の道具以外だと… 農業・建築・生活・貴族用調度品・色々あるのねぇ~

 婦人・武具防具・戦争… まぁ。今特別必要だって物はないかな」


 受付けで『世界の図面』と『護姻環20個』を受け取り、ギルドを後にする 

 外に出ると、普段より多少ではあるが、行き交う人の数が気になった


「何か、いつもより人が多いような気がするわ」


 引っ越しのように、荷車に家財道具を載せて運んでいる


そんなシーズンなのかな?」


 荷車から手作りの人形が落ちたので拾って子供に渡してあげた


「あの、これ落ちたよ!」


「あぁ、お姉ちゃんありがと」


「どこかに引っ越すの?」


「そうだけど、お姉ちゃんは引っ越さないの?」


「え~?お姉ちゃんは引っ越さないよ」


 すると子供のおじいちゃんが会話に入ってきた


「引っ越さないって事は、お嬢ちゃん【トーラ】の子じゃないんだろ?」


「はい、私は【タカミ村】です」


「【タカミ村】かい【タカミ村】と言えば【ハルヨシ村】の御領主だろ

 あそこの御領主は真面目だけど、ここの王様は腑抜けちまったよ

 先王は恰好良かったぜ 今の王も王太子の頃は凛々しくて強かった

 それがどうだ、味方が攻められたって援軍は送らない

 敵も援軍は来ないってわかりゃあ、好き勝手やるさ

 近い内に王都にも攻めてくるって話だ 兵士が噂してるよ

 お嬢ちゃんもあまり【トーラ】には来ない方が良いよ いかん時間が…じゃあ」


 一家の荷車は西門へ行った



 第34話へ続く

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