第27話 掘削

 ティセに連れてこられたノアとノートン

不越山ふえつのやま】の山頂から、初めてを見下ろす

 天然の要害、広大な原野 ここを手に入れる方法を算段するティセ

 そして翌朝・・・ 集められたLV15以上の兵士6名


「兵士のみなさん、おはようございます!

 これから【ハルヨシ村】から最短で着く【不越山ふえつのやま】に行きます

 詳しい話はあちらに着いてからしますね

 それでは向かいましょう!


 兵士たちは馬車で、ティセら3人は『有翼のユニコーン』で、

 馬車が入れる森の入り口まで向かい そこまで到着した

 そこには、【ハルヨシ村】からの兵士4名が既に到着し、待機していた


「は~いみなさん、馬車はここまでです

 本来ならここから歩いてもらいますが、『有翼のユニコーン』に運んでもらいます

 1頭に2人乗って下さい 乗りましたね~?

 じゃあ、あなたたちはここから真っすぐ行った森の端っこまで行ってね」


 ティセは『有翼のユニコーン』に指示を出すと、3頭は兵士を背に乗せ飛び立つ

 しばらくして3頭は戻ってきた

 この件を繰り返し、全員が目的の場所へ着いた


「ちょっと待機していて下さい だらけてていいですよ~」


 しばらくすると【ハルヨシ村】所属の

 本日『狩り』はお休みの『鬼』のグループが『工事道具』を持って到着した


「は~いみなさん、お待たせ致しました~

 こちらに100個の『護姻環』があります

 1人10個の『護姻環』を、着けてもらいます」


『護姻環』が全て兵士に配られ、全ての指に着けられた


【cost☆1.5(1.5)ノッカー  Lv1】 ×100人


「この子たちは『妖精 ノッカー』と言います

 鉱山とかで『採掘』するのが得意な子たちで~す

 皆さんは今日からこの子たちの親分おやになってもらいます

 みなさんにやってもらうのは【不越山ふえつのやま】に、

坑道トンネル』を掘ってもらいます

 そしてこの向こう側に穴を開けて下さい」


「横幅は余裕を持って、鬼の荷車並んで3台分以上(約15m)

 高さは鬼の身長の2倍弱(約4m)で」


「今日は初日です 5組50人ずつ作業して下さい

 全員が同じ仕事量になるように、話し合ってやって下さい

 本来は『向こう側』からもやってもらう所ですが、

 しばらくの間は、こちら側のみやってもらいます

 色々整い次第、向こう側からもお願いします

 作業時間は、朝10時から夜6時までです

 それではみなさん、お願いしま~す」


 ティセの言葉で兵士たちは『ノッカー』達に指示を出し、仕事を開始した


「領主様、【ハルヨシ村】からここまでの『最短の距離』にある、

 木の伐採をして欲しいです

 そうすれば、道具やら何やら運びやすくなるから

 それと、ここに簡易的な野営地きゅうけいじょを作って下さい

 寝泊りは、村の宿屋や兵舎でも空いてる所で」


「よし分かった! スタン!【ハルヨシ村】で、

 村の連中に声を掛け、日当1000ヨーで木の伐採をする者を募れ

 何人集まっても構わん

 そしてここに野営地を作る 余裕を持たせ150人分の天幕を運ばせろ」


「はっ!」


「領主様、今日1日でどのくらい掘れるか確認できます

 向こう側からも掘れば、半分の期間で済むでしょ?

 問題は、毎日交代で向こう側を掘る人たちを、どうやって運ぶのか・・・

 困ってるの…」


「私の頭では何も浮かばんよ…

 まてよ… あと半月で、4人のLV上げが終わるのではないか?

 ケニーと4人が『ワイバーン』の訓練をするだろう

 その訓練を『』やったら良いのではないか?」


「あっ!ホント それが良いかも! ナイスですね~

 じゃあ10月8日に王都で集合する時に、私から話します」


「うむ、頼んだぞ では【タカミ村】へ戻ろうか」


 こうして【不越山ふえつのやま】を通り抜ける『坑道トンネル』の掘削作業が始まった

 帰る道中、ノアはティセに問いかける


「ところでティセ、『坑道トンネル』を掘るのは理解したが、

 何故【タカミ村】の方ではなく、【ハルヨシ村】なんだ?」


「最初は【タカミ村】からの『坑道トンネル』を考えてたの

 だけど【王都】から近いのは【ハルヨシ村】だから何かあった場合に、

 村の人たちを避難させないといけないから、【ハルヨシ村】からにしたの

 もちろん次は【タカミ村】からの『坑道トンネル』を掘る予定よ

 何なら【王都】からもやりたいくらいなの、距離は長くなるけど…」


「なるほどな・・・(だから【タカミ村】をあのように・・・)

 では【ハルヨシ村】もいずれは【タカミ村】のように考えてるのか?」


「はい、色々考えて… バラバラで分散させるより良いかなって」


「いや、大丈夫だ! ティセの思うようにやってくれて構わない」


「はい!ありがとうございます!!」


【タカミ村】に到着した一行 

 夕刻、ティセは再び『坑道トンネル』を見に行く


「へぇ~ 結構掘れてるね! 何メートルくらいだろう?」


 野営地きゅうけいじょからロープを見つけ、最奥から入口まで測る

 ティセの身長は150cm少々 横になり兵士に『ティセ何個分』か測ってもらう

 測った結果『ティセ14と少々』


「と言う事は… 20mちょっと! 結構早いかも!

 それでもまだ始めたばかりだから早いけど、砕いた岩を運ぶのが大変かも

 それは追々助っ人を用意しないといけないかな?

 じゃあ、みんな~今日の作業は終わり~ お疲れさまでした!」


 こうして『坑道トンネル』の掘削作業初日を終えた



 次回 第28話『使者』

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