第20話 準備

『兵力』と『経済力』どちらを優先するのか

 ティセの『答え』は・・・


「私なら・・・ もちろん『両方』です!

 だって、お金があっても『兵力』が無ければ、弱いままでしょ?

『使わない』と『経済は回らない』って言うでしょ?

 ※使うと『領内』の経済が回ると思っている

 定期的にお金が入るなら、少しずつでも『戦力』を増やすのが良いと思う

 お金を貯めてから揃えたって、魔物は躾とか訓練とかしないと、

 いきなり『活躍』なんてできないでしょ?」


「ま…まぁそうだな… ではティセ、今回手にした『70万』で、

 どう戦力を整えていくのが良いのだ?」


「色んなパターンは、頭の中にあるの… で…どうしようか・・・

 ・・・順番から言えば… はい、決めました…

 幹部さんは色々と仕事がありそうだから・・・

 幹部さんで1人と…

 一般の兵士さんで、幹部候補になりそうな、将来有望な若手4人

 この5人で部隊を作ります

 これは『とても重要な部隊』なのね

 若手の4人は、ギルドに登録させて 職業は魔法使いで

 幹部さんは、この4人のモデルです

 なので、覚えた事を教える隊長で先生になる人

 その上で、コストの残りが40以上の人が良いです」


「ティセ、『送魔システム』が運用されてからまだ4年だぞ

 とてもLV40なんて… 誰もいないぞ!」


「いないんですか?… なら…ごにょごにょごーにょ

 ぺらぺら、ハラペーニョ、ウゴウゴルウガで、ってして下さい」


「それで、大丈夫なのか?」


「はい!問題ないです

 その上で、残りコストが多ければ良いですね」


「誰か!やる者はいないか~」


「ノア様、私がやりましょう」


 手を挙げたのは『ケニー』だった


「ケニー、お前の残りコストはあといくつだ?」


「確か… 17…8でしょうか?そのくらいはあったかと…」


「では『ケニー』に任せた! 4人の選考は早々に決める」


「はっ!」


「ではティセ、それにはいくら掛かる?」


「70万でしょ… 登録が… あと眼球が良いかなぁ? ・・・

 え~と… 100万かな?」


「・・・100万・・・ さすがにすぐには出せん!

 今週は『狩り』を止めるからな…

 来週の『稼ぎ』全部と、今回の『70万』で、何とかなるだろう

 再来週まで、待ってくれ」


「はい、分かりました!

 それと、兵士さんの偉い人で、ギルド登録してない人はいますか?」


「いや、幹部の連中は全員が登録はしているぞ!」


「なら良かった!

 もっと言えば、兵士さん全員登録するのが一番の理想なの

 更に言えば、村の人たちも… 全員ね

 って、ここまでやるとキリがないので…

 これはもっと先の話し」


「しかし、金が掛かって仕方がないな」


「そんな事言ったって、しょーがないじゃないか ※誰かみたいに

 それにお金儲けなんて、いくらでも方法はあるんだから!」


「おっ!まだあるのか、方法が・・・」


「お金さえくれればやりますよ」


「……余った金でやってくれ・・・」


「ではケニー、詳しくはティセに聞いてくれ!」


「はっ!」


「皆、今回の事は時間が少々掛かる

 4人の兵士を選抜したら、あとは通常通りの業務を行う!

 ノートンは【ハルヨシ村】の『狩り』3名と『魔物解体』に従事する者

 3名を募れ

 スタンは【タカミ村】の兵士から『魔物解体』の2名を募れ

 エディは双方の村人から、軍の炊事場担当を募れ

 朝担当20名 昼夜担当40名 半数は【タカミ村】で従事だ 以上」


「はっ!」


 こうして会議は終了した

 各々指示された仕事をこなしていった

 そして『狩りの休み』が明け、更に1週間が過ぎた

 ティセはケニーと共に王都へ向かい… 到着した


 選抜された4人は、休暇も兼ねて前乗りしていた

【トーラ】ギルド前に集合していた


「よし!みんな集まってるな!」


「はっ!」「はっ!」「はっ!」「はっ!」


「こちらが『お嬢様、ティセ様』だ


「ティセです、よろしく!」


「よろしくお願いします!」✖4


「では各自登録をして、職業は魔法使いだ 紋章は眼球

 以上を完了させ店内で待機しててくれ

 これは登録料だ

 私たちは換金してこちらに戻ってくる」


 そう言って各々に6万ヨー渡し、ティセとケニーは買取り部門へ行く

『乱玉』3663個 内100ヨー 2952個 500ヨー 711個

『素材』を多数カウンターに出し、しばらく待つ そして呼び出され


 本日の『乱玉』の買取り倍率は『100ヨーが2.1』『500ヨーが2.2倍』となっておりますが、よろしいでしょうか?」


「お嬢様…『乱玉』の買取りが『2.1と2.2』だそうです 

 売ってよろしいでしょうか?」


「う~ん… 安いなぁ‥‥ ふ~む… 売りましょう!

 安いけどお金にしないと… 今日来た意味がないから」


「承知致しました

 はい!それで売ります!!」


「代金は『現金』ですか?『貯めますか?』」


「げ、現金でお願いします!」


「それでは後ほど『12番』でお呼びしますので、お待ちください」


「はい!」


 しばらく待つと

「『12番』のお客様、3の窓口までお越しください・・・」


「はい… 『12番』です…」


「『乱玉』3663個(内100ヨー 2952個 500ヨー 711個)

 その中で、100ヨーの10個がヒビ又は破損の為、買取り不可

 100ヨー2942個 こちらが2.1倍で、617,820ヨーになります

 500ヨー 711個 こちらが2.2倍で、782,100ヨーとなります

『素材』が『322,870ヨー』ですので、

 合計1,722,360ヨーとなりますが、よろしいでしょうか?」


「ひゃク…な、な十万・・・ はい… よろしいです…」


 換金し終えた2人はギルドへ戻り、ケニーの紋章を眼球に施す

 必要な魔物を一通り買い終えたあとに、ティセと交代する


「さぁ!お目当ての子は… 君に決めた!」


 仕事を終えた一行は、会議と昼食をする為に、酒場に入る


「それでは、お嬢様より お話がある

 お嬢様… お願い致します」


「はい、それでは… えっと… 皆さんに登録してもらいました

 魔法使い 今はLV1です

 登録は『眼球』にしてもらいましたので、次までの経験値が、

『送魔鏡』に来なくても分かるようになってます

 それで、あーしてこーして、ちょめちょめ、だっふんだーので、

 てじにゃあにゃ・・・ にして下さい

 期限は余裕を持って、2ヶ月 簡単なお仕事です

 初期の費用に『5千ヨー』をお渡しします

 今日からこの街に住み、2ヶ月で達成してください

 お金の稼ぎ方や暮らしに役立つ方法を書いた紙を配ります

 これを参考に頑張って下さい

 2ヶ月後の1日にギルドに集合してください

 それでは、今日は思いっきり飲み食いして下さい」


 食事を終えた一同 お金とメモを渡し、4人と別れる

 馬車の前で


「ねぇケニーさん、余りのコストはいくつあった?」


「22でございます」


「じゃあ、40まではどのくらいで、いけそう?」


「そうですね… 1ヶ月は掛からないと思います」


「早くて良かった!」


「ありがとうございます」


 こうして2人は帰路についた


 

 次回 第21話『保存』

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