第 8話 弁明

 3人は犯人である『ゲッカ』を連れ、王様の元へ向かった

 既に玉座に座している王様を見ると緊張感は更に増していく

 聞いてはいないが、一歩間違えれば恐らく『おわり

 ティセは息を整え、王様に挑む


「王様、お疲れ様でございます」


「うむっ」


「これから経緯と状況と結果をご報告致します」


「とてもとても長くなりますがご了承下さい」


「・・・・」


「つきましては、その都度 王様に質問をしたりしますので、

 お答え頂いて宜しいでしょうか?」


「構わん」


「先ず始める前に王様には、宰相おじいさんを呼んで頂いた事、感謝致します宰相おじいさんが来なければ、恐らく私は私刑でした このような状況が続きますので、覚えといて下さい」


「また、ご領主様ノア衛兵ガードマンさん、来てくれてありがとう」


宰相おじいさん、色んな事手伝ってくれてありがとう」


「私が指名した人以外は、この場では口を出さないで下さい」


「王様、宜しいですね?」


「この場にいる全ての者、口出し無用だ」


「では王様に最初に質問です 私とザースマ様 どっちかが嘘を付いていますが、嘘が明らかになった場合どうなりますか?」


「・・・死刑だな」


「予想はしていましたが、やはり死刑なんですね・・・」


「順を追って説明しますが、関係無い所は端折ります」


「私を捕まえに【タカミ村】まで来た、その質問を言ってくれたご領主ノア様、その疑問をずっと考えました」


「私は【王都トーラ】に居た事・知ってる人は限りなく絞られました」


「犯人は・・・これはまた別件なので置いときます」


「次に、私が取った物は何かの問いに、ザースマ様は頑なに答えませんでしたが、王様が『指輪』と答えてくれましたので助かりました」


「『指輪』が分からなければ、当然私は死刑ですね」


「私はギルドの前で、指輪を拾いました」


「そして、その指輪を衛兵ガードマンさんに届けました」


「その衛兵ガードマンさんが彼です 説明お願いします」


 ケインと交代する


「はっ!わたくし衛兵ガードマンのケインと申します」


「当日のわたくしは、午後7頃ギルドそばで立番をしていました」


「そちらの女性が、落とし物を届けて下さったのでお預かりをし、

 勤務交代の午前12時に南門Bの詰所に持って行きました」


「しかしわたくしがこちらに来る前に、宰相閣下は遺失物の検分をされたそうですが、無かったそうです」


わたくしがそちらの女性から護姻環ごいんかんを確かに受け取っていますので、容疑はわたくしに移りました」


 ティセと交代する


「もし、このケインさんが『指輪』をくすねてたら、もし今日のお仕事がお休みだったら、私は死刑でした 王様、ここまで宜しいですか?」


「うむ!経緯はよく分かるぞ」


 ケインと交代する


「宰相閣下に、南門Bの詰所に12をお調べいただき、

 同時に翌日の午前8時から午後8時まで『送魔鏡』を使った履歴を調べてもらう為に【ジュリア】に問い合わせて下さいました」


「もう一つ、王様の護姻環ごいんかんは、どんな魔物かを伺って頂き、魔物が判明致しました」


「『』も、解決の糸口になりました」


「そして、南門Bの詰所に12が10人」


「午前7時16分に【ジュリア】から利用履歴が届きました」


「利用者は、国家所属が23人、その内の8人が衛兵ガードマン


「その8人の内、2人が南門B詰所に


「その2人の内1人が『送魔鏡』で『商品鑑定』をした結果『護姻環ごいんかん』だと出ており、履歴はこのゲッカが犯人だと申しております」


わたくしが先ほど申し上げた通り、勤務交代の午前12時に南門Bの詰所に持って行きました」


わたくしが『護姻環ごいんかん』を渡した男は、こやつです」

「以上で我々の弁明を、終わらせて頂きます」


 

 次回 第9話『請求』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る