第 6話 指輪

 ノアは考えが纏まらないし答えは出せないまま、裏手から出発した

 ノアが【ハルヨシ村】を少し過ぎた辺り


大分だいぶペースが速いな… 少しセーブしても、追いつかれる事はない」


 すると対向から赤兎馬がやってくるので、赤兎馬から降り止めると


「おぉ!これは!ノートンではないか!」


「!ノア様ではございませんか? 【タカミ村】に行かれたのでは?」


「色々あってな…訳は後で話す!疲れてる所悪いが、もう一度一緒に戻ってくれ」


「はい、分かりました」


「すまない、2日休みをやる」


「別に構いませんよ!では行きましょう」


 2人は再度、馬を走らせた


 そして王都に到着した2人は酒場に入り、

 先刻起きた出来事騒動をノートンに話した


「そんな事があったのですか・・・」


「あぁ でなノートン、お前が見張ってて何かあったか?」


「何か…頭の中で整理しながら話しますね・・・

 対象者が到着してから…どこにも寄らずにギルドに向かいました・・・

 対象者が『送魔鏡そうまきょう』を使用中に一団と悶着があったようです…

 それに怒ってたように見えましたが、そのままギルドを後にします…

 私も追う為に離れて続きましたが、対象者がギルドを出た少し先の所で、

 立ち止まっていましたので、私は出るに出られず中で待機していました…

 じゅう…17~18分くらいでしょうか…

 すると悶着があった一団がギルドを後にしたのですが、彼らの背中で対象者が見え 

 ませんでした… 2分ほど…

 一団が去った後、対象者が…右肩に手を当て、地面に座り込んでいました…

 立ち上がった対象者は辺りを見回し、衛兵に道を尋ね歩きだした…

 南門近くの書店で…本を3冊購入し… 馬車に乗って帰った・・・ですね」


 目を閉じノートンの話しを聞いたノアは、自分の頭の中でも整頓し


「何かあるとすれば『一団との悶着』と『17~18分立っていて…見えなかった2分』それと『右肩に手を当て座り込んでた』くらいだな・・・」


「そうですね… その一団とのいざこざが原因としか思えませんが・・・」


「何にせよ、あと30分ほどで連中奴らは王都に着く」


「少しばかり疑問がございます」


「何だ?」


は、対象者あの娘が【タカミ村】に住んでいるのを、何故知っているのでしょうか?」


「!? 確かに…連中が馬車をなら分かるが、連中の方が先に出ている…」


「より複雑になってしまいました… すみません」


「いやっ、疑問でも何でも情報は多い方が良い」


「無くなった物も含めて、これはかなり大きな問題になりそうな気がします…」


「・・・ 時間も無い… 王様の元へ行く 一緒に来てくれ」


「はっ!」


 現状では助ける術もないままの2人は、王様の元へ急ぐ


 ほどなくしてティセを連行した一行は王都に到着した

 待機していた『ザースマ』も加わり、王様に謁見… いや、裁判が始まる


 取った取ってない、知ってる知らないの『水掛け論』が3時間に及ぶ

 王様は、一言も喋らずに両者の言い分を聞いている

 そこで両者の言い合いに割って入るように、ノアが口を開く


閣下子爵にお聞きしたい事がございます」


「何ざまーすか?」


閣下子爵は、このが【タカミ村】に住んでいる事を何故知っているのでしょうか?」


「それは…こちらの情報網とか色々な… 持ってるざーすよ!」


 ノアの質問を聞いたティセは、頭の中で昨日を振り返る


 私が【王都トーラ】に『』を知ってるのは… 園長を除いて、

 おじいさん、馭者うんてんしゅさん、ギルドのお姉さん、衛兵ガードマンさん、本屋さん… あとザースマ

【タカミ村】を知ってるのは、おじいさん、馭者うんてんしゅさん、ギルドのお姉さん

 おじいさんはこっちに来てない…

 おじいさんが手配した馭者うんてんしゅさんとザースマがグル… 可能性は…ある

 しかし… おじいさんと馭者うんてんしゅさんは…

 一番臭うのは・・・


 考えても考えても、突破口を見いだせない中・・・ザーマスが


「そろそろ取ったと白状するざーすよ!」


「私が何を取ったと言うのよ!」


「それは…国家の機密事項だから言えないざーすよ」


 王様が初めて口を開く


「指輪だ」


『指輪』と云うワードで、真っ先に『』が思い浮かぶが、

 嘘をつかれたら… 挽回できない… でもやるしかない


「王様にお願いしたい事が2つがあります」


「なんだ?言ってみろ」


宰相様おじいさんを呼んで下さい それで宰相様おじいさんと2人で話させて下さい」


「・・・・・・」


「お願いします!宰相様おじいさんを呼んで下さい」


「それで解決できるのか?」


「分かりませんが、それしか方法がありません」


「・・・・・分かった 暫時休憩とする 誰かテリーを呼んでまいれ」


「はっ!」


 

 次回 第9話『犯人』

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