第29話

俺..凪都は、クッキーを半分残し紙にお前も

食えよと書いて俺は風呂に入り歯磨きベットに入った。そういえば俺、瑠斗に会った時以外

なんかボーッとしてたような感じがしたん

だよな?何でだったんだろ。後で瑠斗にでも

聞いてみるか。俺はそう思いながらベッドに

入り、寝ようとした。だが、まだ眠れ

なかった。そのため、俺は外に散歩に出た。

すると月や星、夜景がとても綺麗だった。

こんなに夜が綺麗だと思った日は久しぶり

だな。俺はそう思いながら国の奴らの死体を

避けながら、瑠斗と一緒に作った秘密基地に

行く。何年も管理してなかったにしては、

不自然なくらい綺麗なのだ。どうせ、瑠斗が

魔法で綺麗さを保存しているのだろう。

俺はそう思い、今や俺と瑠斗が入るだけで

いっぱいになるような秘密基地に寝転がり夜を堪能する。前までは、俺らが入ってもまだ余裕だったのになー。


「まぁ、もうここには来ないと思うけどな。てか、ここが残ってるとは思ってなかったし。

あぁーあ、なんか眠くなってきたわ。...寝よ」


俺は眠くなったため寝る。布団はないけど気にしたら負けだ。それに、今ら春の初めなためこれくらいがちょうどいい。無論しっかり防犯

対策もしてある。ここは俺と瑠斗以外が入れないようになっており、ここを見つけたとしても入ることができない。そして、結界が壊された時は俺と瑠斗が起きる仕組みになっている。

そのため、俺は安心して眠れるのだ。おやすみー世界。と、規模のでかい挨拶をして眠る。


_____________________


俺..凪都は目を覚ました。だが、そこは秘密基地ではなく天国のような場所だった。すると俺の家族と瑠斗の家族が目の前に立っていた。俺は涙を出しながら、家族に抱きつく。俺の家族は嬉しそうな顔をして俺を抱きしめてくれた。


「凪、やっと真実に気づいたのね。瑠くんに

感謝しないといけないわよ?」


「はっはっはっ、そうだな。母さんの言う通りだぞー」


「あぁ、本当に感謝してる!」


俺は家族と笑い合っていた。瑠斗の家族は、

少し複雑そうな顔をしていた。そういえば瑠斗もたまにそんな顔してたな。


「..久しぶりだね。おじさん、おばさん、夏衣翔かいと兄さん」


「あはは、もう今は君の方が年上だと思うよ?凪くん」


「...そうだね。でも、なんで3人共悲しそうな顔してるの?」


俺がそう言うと瑠斗の家族は気づかれたかと

笑った。だが、俺はその理由をわかる気が

した。なぜなら、瑠斗の家族は優しい人達だ。その中でも瑠斗がいちばん優しかったん

だけどな。今もだけど。大方、自分たちの

せいで瑠斗の手を汚させたと思っているに違いない。


「実は、瑠に復讐をさせてしまったから私達申し訳なくなっちゃって..ねぇ?夏衣、

あなた」


「うん、そうだね」


「あぁ、そうだな」


「そっか、じゃあなんで瑠斗に会ってあげなかったの?そこまでるいのこと大事にしてるのに」


瑠斗の家族は、互いを見合わせて俺の問いに

答える。


「それはね、私達があの子に会うことであの子が壊れないか心配だったの」


「あいつ。表には出さないが、まだ俺達が

死んだ時のがフラッシュバックしたり色々苦労

してたんだ。1週間くらいまでは狂ったように

悪い魔物だけを殺してた」


「え、そんなに」


「そうだよ、凪くん。るいは君なしで復讐を

終えた時自殺をしようとしてた。君のおかげでるいが僕たちに会える精神状態になった。

君はるいの心の支えになってるんだよ」


今も昨日に会った時もそんな素振りを一瞬も

見せなかった。瑠斗が言った通り瑠斗は最強

だが、完璧に見えたが完璧の人間では

なかった。いや、本当に完璧な人間なんてどこにもいないのだ。この世のどこにも。俺は少しでも瑠斗の心の支えになっている。それを聞いただけで俺は今までの努力が報われたような

気がした。俺は違う意味でも涙が出た。瑠斗の家族はありがとうと言って後ろの世界に戻って行った。すると、今まで黙っていた俺の家族が俺に話しかける。


「「凪都」」


「ん?」


「まずは、母さんが言うわ。いい?凪都。

あなたはるいくんと一緒にのびのび幸せに

生きなさい。ちゃんとご飯を食べて、よく

寝て、沢山の思い出をつくりなさい。それを、お土産としてここで話してくれることを楽しみにしてるから」


「...わかった」


「凪都、次は父さんだ。お前は、瑠斗くんと

強くなって弱い人を守れるようになれ。それと俺たちはいつでもお前の味方だ。みんな、凪都のことも瑠斗くんのことも大事だ。だが、今はしばしの別れだ。いい話を聞かせてくれな?」


「...わかった、2人とも。また会える?」


「ごめんね、凪都。私達あまり地上の人に干渉したらいけないの」


やっぱり、これで俺の家族、瑠斗の家族とは

もう話せない。俺は泣きながら瑠斗の家族にも聞こえる声で話す。


「俺!必ず、幸せになるから!!だから..

だから!!俺と瑠斗を見守っててくれよな!!みんなって!」


俺は泣きながら、笑顔でピースを見せた。瑠斗の家族にもちゃんと聞こえたようで瑠斗の家族のピースを返してくれ、そのまま消えて

いった。俺の家族も段々と薄くなっている中で俺の頭を撫でてピースをしてくれて消えた。


「みんな、俺..頑張るからな」


そして、視界が暗転し気を失った。

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