第22話

俺と凪都は計画を立てて凪都が作った夕飯を

食べた。凪都が作る料理は所々、黒く焦げて

いた。


「るい、すまん!久しぶりに作ったから失敗

した!」


「いいよいいよ。これくらい。俺がそんな

こと気にしないってこと知ってるだろ?」


「まぁ、そうだけど..」


「ほらとりあえず食べるぞー。久しぶりに

しては上手くできてると思う」


「え!?本当か!?」


「あぁ」


俺がそう言うと、凪都が嬉しそうにしていた。

そして、2人は夕飯を食べた。


...お、見た目は焦げてるけど中身はすごく

美味いな。


俺はそう思いながら、パクパクと食べていた。

すると、凪都は俺を見て「あははははっ」と

笑った。


「?なんで笑うんだよ?」


「だって、お前が美味そうに食べてたし!」


「え?そんな顔してたか?」


「してるしてる!」


凪都は面白そうに言った。俺は「ふーん」と

返し再度夕飯を食べた。そして少ししてから、夕飯を食べ終えた2人はソファーで話していた。


少しして、21時になったことに気づいた2人は

先程のほのぼのしていた雰囲気とは打って

代わり不敵に笑う。俺も凪都もニヤニヤを

抑えきれないのだ。


「なぁ、なぎ。この国の奴らは多いし手伝おうか?」


「...いや、面倒な奴はるいが全員殺したから

すぐに終わると思う」


「えぇー?ほんとか?まぁ、そこまで言う

ならいいけど」


「それに久しぶりに派手に暴れられる

からな!血が騒ぐわー!」


凪都はそう言いノリ気だった。凪都は騎士団長になる前はすごくやんちゃで毎日のように俺と魔物を狩って暴れていた。騎士団長になって

からそれがぱったりなくなったのは、騎士団長としてのプレッシャーだったのだろう。俺は

凪都が心置きなく暴れられるのか不安だったが何かあったら俺がフォローするだけなため、

気にしないようにした。


「まぁ、暴れ具合はなぎに任せる」


「わかった!あ、建物は残した方がいい?」


「んー?それも任せる」


「...りょーかい!」


凪都は、俺がそう言うと嬉しそうに言った。

凪都には凪都の考えがあるのだろう。俺は凪都の暴れ具合の不安は消え、今は期待に変わっていた。俺は安心して、王に拷問出来る。俺は

王を押し込んだ空間を開き、片足を入れた。


「なぁ、るい」


「ん?」


俺は、凪都の方を振り向いた。凪都は一切、

俺の方を見ないが凪都の殺気がビシビシと

感じる。やはり凪都は凪都なんだろう。


「30分後、またここで待ち合わせしよ?俺は、それまでに国の子供殺しとくから!」


「いいけど、無理はすんなよー?」


「わかってる!俺を誰だと思ってんだよー」


凪都はそう言い笑っていた。俺は楽しくて忘れていたのだ。凪都はこの国のNo2の実力の

持ち主だと言うことを。数年それが、常識

だったのにたった2日でそれを忘れるなんて

不思議だな。ほんと。


「じゃあ、後でなー!るい!」


「あぁ、また後で」


俺と凪都は、互いの行く場所に向かう。

俺は空間の中に、凪都は俺の家のドアを

開けた。

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