第21話

俺は、そのまま子供の溜まり場に向かう。凪都もそれを追う。


...懐かしいな。俺もなぎとここで遊んでたな。


俺はそう思いながら、歩いていると予想通り

子供達がやってくる。すると、子供達は一斉に魔法を俺に当てようとしてくる。俺は、

さりげなく凪都に当たらないように魔法を

使った。すると、魔法が俺に当たらないということが分かったら石を投げつけてきた。俺と

凪都は余裕で避けていた。


子供達は腹が立ったようで俺の家族の悪口を

言い出した。俺は、我慢ならなくなり小さな

雷を子供達の目の前に落とした。子供は

「うわぁっ!?」と驚いていた。


「...次あった時も同じこと言ったら殺すぞ」


凪都は本当だったことにショックを受けて

固まっていた。俺は、凪都を引きづり家を

帰った。


そして、俺の家に帰り凪都をソファーに投げて俺も座る。


「るいー」


「ん?」


「さっきの他の子供達も大人達も同じことを

してた?」


「え?そうだけど..」


「....じゃあ、俺が殺すわ」


「いいのかー?どうせ、途中で見逃しそうだけd...」


俺がそう言い終わる前に凪都の顔を見た。凪都は、すごい顔をしていた。俺は驚いた。


こんな顔久しぶりに見たな。


凪都がここまで怒ったのは、俺の家族が亡く

なった時周りの人間がコソコソと俺の家族を

侮辱してきた時以来だ。


「どうして、そんなに怒るんだよ。そこまで

怒ることじゃないだろ?」


「いや、腹が立つ。子供は善悪の見分け

くらいはつく歳だろう!親が言っていたからと

言って許される歳はすぎてる!」


「確かに、腹が立つしあいつらが善悪がつかない歳でもない」


「だろ!? だから、子供はまだ苦しませない

ように殺す。でも、大人共は苦しませて殺す」


凪都は、鬼の形相になり怒りで手がわなわなと震えていた。俺はこのままだとまずいと考え、凪都に話しかける。


「なぁ、なぎ。国の奴らを殺すなら冷静に残酷に殺せ。人って言うのは感情的になりながら

殺されるより淡々に殺される方が怖がるから」


「....なるほど、分かった。冷静に残酷に殺す

のは、俺の得意分野だ。じゃあ、どっちを先に殺したら苦しめると思う?あ、目の前で殺す

のは前提でな」


「うーん。それなら、子供を先に殺せ。

大人共も一応、人間だし自分の子供とか身内の子供が死んだ奴らの絶望感は計り知れないものだと思うぞ」


俺がそう言うと、さっきまでは怖がっていた

凪都が真剣に悪い顔をして聞いていた。

すると、俺はあることを思い出した。


「なぁ、なぎ。お前、俺が王を拷問するの手伝いたいって言ってたよな?あれはいいのか?」


「あぁーいいのいいの。王はもう視界に入ってない。」


「...そっか」


そして、俺と凪都は互いが殺す相手が

決まった。

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