第19話
今の時刻、15時30分になった。俺は、今も
嬉しそうに移動魔法を使ってちょこまかちょこまかと動いている凪都に話しかける。
「なぎー、とりあえず休憩しよう」
「!おう!分かった!」
凪都はそう言い、俺の方に移動魔法を使って
きた。初めて使えるようになったにしては、
随分と扱えていた。
楽しそうで何よりだな。
俺はそう思いながら、自分が持って来た荷物を開ける。すると、凪都がまた移動魔法を使い姿を消した。俺は気配を探ってみるが、ぼんやりとしか分からない。凪都も気配を消しているのだろう。俺は気づいていないフリをした。
「るい!覚悟ぉー!」
凪都はそう言い、俺に攻撃をして来た。その
武器は大きめの木の枝だった。それを使い、
上から下への振り落としを繰り出した。
凪都は、俺に勝てると確信していた。
だが、甘い。
俺はそのままノールックで凪都が持っている
木の枝を指で挟み止めた。凪都は「えぇ!?
まじかよッ!?」と驚いていたが俺はその声と同時に凪都の溝尾に肘打ちをする。凪都は、
それをもろに受けたため「ぐはっ!」と言い
蹲った。俺は凪都の方に振り向き、無言で回復魔法をかけた。
「なぎ、なんで急に攻撃したんだよ?」
「うっ、だってぇ..るいに勝てるかと思ったんだもん」
「はぁ、俺のこと舐めるなよ。それで負けて
たら最強になんてなってないっての」
「はい、すません」
凪都はそう言い、正座していた。いや、俺何も言ってないんだが?
まぁ..いいか。凪都が勝手にしてるし。
俺はそう思いながら正座している
凪都にあるものを渡した。
「え!?クッキー!?どうしたんだよ?
これ!」
「あぁ、昨日の昼くらいにオヤツを買っといたんだ。王を拷問する時その部屋から出ない
つもりだし。あ、ちゃんと鮮度は昨日のままだから」
「あ、鮮度はさすが空間魔法ってとこだな。てか、お前王の拷問って1日じゃないのか?
それでも長いと思ってたんだが?」
「え、たったの1日?俺1ヶ月は王を生かせて
苦しませるつもりだったんだけど?」
俺の物言いに凪都は顔を青くしていた。俺は、当たり前のように思っていたため凪都の1日と
いう言葉に驚いた。
もしかして、騎士団ってそんな生っちょろい
拷問をしてたのか?全く、愚かな王が治める国はすぐに崩れるんだな。
俺はそう考えながら、凪都に免じて5日間の拷問にすることにした。これでは、俺が考えた拷問が計画にできないし少し考え直すか。
「....俺、るいの味方で良かったわ」
凪都が急にそんなことを言ったため、俺は驚いたが気にしないことにした。そして、その後は俺と凪都は王の話しはせずに楽しくオヤツを
食べた。
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