第18話
そして、凪都は不思議そうに辺りを見回す。瞬間移動魔法も知らなかったのだろう。
...ついでに移動魔法も教えとくか。凪都なら、基礎を教えたら自分で出来るようになるだろ。
俺は、そう考え凪都にさっき使った移動魔法のことを説明した。
「へぇー!こんなすごい魔法があったん
だな!」
「まぁ、この魔法も覚えといた方が不便し
ないからこれも教えるわ」
「おう!よろしく!」
そして俺は、凪都にまず空間魔法の操るコツ
教えた。予想通り凪都は飲み込みが早かった。そして、たったの30分で空間魔法を自在に操れるようになった。
「やった!! るい!俺、空間魔法自由に操れるようになった!」
「おぉ、すごいな。たった30分でここまで
出来るなんて」
「えへへ、俺って剣とかより魔法の方が適正あるんじゃね!?..なぁーんてな!」
「いや、確かにお前は魔法の方が向いてるん
じゃないか?」
「え!?でも、王様は俺は剣に適正があるって言ってるし..あっ」
凪都はそう言い終わった後に言ってはいけないことを言ったということに気づき手で口を
抑えた。瑠斗の前で王の話しは地雷だ。凪都は瑠斗が怒ると思っていた。
だが、俺はそんなことで怒るほど未熟な人間
ではない。しかも仕方のないことだと考えている。
「るい、すまん」
「え?何が?」
「な、何がって王のことを話しちまったこと」
「あぁ、そんなことか。別にいいよ。気にしてないし。それに、仕方ないことだろ?
お前は俺と違って、ずっと近くで王の洗脳を
受けてたんだ。なかなか、それが抜けないのも無理はない」
「そっか。ってえ?ちょっと待って?俺、
洗脳されてたの?初耳なんだけど!?」
凪都はそう言い、驚いていた。無自覚なのも、無理はない俺も王本人の言葉で聞かされて
初めて知ったことなのだ。国の奴らも知って
いるはずがない。
王の洗脳は2つ。ひとつは、魔法こそ悪だ。
使いすぎると、自分の身体に災いが起こる
という思想。ふたつは、我(王)の言うことは絶対だという思想だ。
その思想のため、凪都のように魔法の方に適正がある者でも剣の方が向いていると言われ必死に剣の修行をしている者が多くいる。宝の持ち腐れである。
俺はその説明を今、凪都にした。
「な、なるほど。だから俺の周りの奴らは、王を神格化してたのか」
「そうそう。俺も最初は魔法の方が向いてる奴を説得してたんだが、話しが通じなくて断念したんだ」
「なるほどなー。じゃあ、何で王の洗脳の
ことをもっと早く言ってくれなかったんだよ?昨日のうちにでも言えただろ?」
「あぁー、忘れてた!」
「おい!」
「あ、あははは..。そ、それより!移動魔法を
教えるから!」
「...わかった!」
そして、俺は凪都に移動魔法を教える。凪都は移動魔法も、1時間で覚えた。
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