第16話
そして、俺は家に戻って来た。すると寝起きの凪都が、お出迎えをしてくれた。俺のかけた
魔法もきちんとかかっていた。俺は少しだが、凪都の姿が見えている。近眼でメガネをつけている人がメガネを外した時みたいに凪都の姿が見えている。
「おかえりぃ、どこ行ってたんだぁ?」
「あぁ、国の奴らの様子を見てた。そろそろ昼飯にするか」
「うん、お腹すいたぁ」
「わかった。それとお前は、顔洗って目を覚まして来い」
「はぁーい」
そして、俺は昼食の準備をする。凪都は
ようやく目が覚めたらしく昼食を作る手伝いをしてくれている。
十数分後、俺と凪都は料理を終えた。俺は凪都を椅子に座らせて、テーブルに運ぶ。
「なぎ、言い忘れてたけど痛い所はないか?」
「え?あぁ、そういえばどこも痛くないな。
回復魔法使ってくれたのか?」
「いや、空間から出たら自動で回復させる
仕組みにしておいたんだ」
「え!!そこまでしてたのかよ!?やっぱ、
お前はすげぇわ」
「そんなことないぞ。ちょっとコツを掴めば
簡単だぞ?お前さえ良かったら教えようk..!?」
俺がそう言い終わる前に、凪都が急に椅子から
立ち上がり目を輝かせながら食い気味で答えた。
「いいのか!?」
「あ、あぁ。俺、教えるの苦手だけどそれでいいならな」
「いい!全然いいから教えてくれ!!」
「わ、わかった。分かったからとりあえず食べよう」
「あ、そうだな!」
凪都はそう言い、静かに椅子に座った。凪都は操れる魔法が少なく、近接戦メインの戦闘
スタイルなのだ。そのため、凪都はずっと魔法剣士という物に憧れているのだ。そんな人間が自分が操れない魔法を操れる人物が目の前に
してテンションが上がらないはずがないのだ。
そして、2人で「「いただきます」」と言いご飯を食べる。今の昼食は、2人が好きな食べ物で
ある。昼食のメニューは、ビーフシチュー、
パン、シーザーサラダだ。
2人の好きな食べ物は、ビーフシチュー、パン、シーザーサラダだ。2人の好きな食べ物が一緒
なのは、瑠斗の家族と凪都の家族のみんなで
作り食べた物だからだ。
「? るい、何かこのビーフシチュー懐かしい味するんだが..」
「あぁ、それもそのはずだ。俺が頑張って
あの味を作るために実験に実験を重ねたからな!」
「そ、そうなんだな。やっぱり、この味が最高だな!」
「まぁ、小さい頃からこの味だしな」
2人はあの頃の味を噛み締めながら食事をする。
俺たちが食べていたビーフシチューは他の家庭の物とは変わったレシピだった。そのため、
いくら料理の上手い料理人に作って貰った
ビーフシチューでも2人は満足出来なかった。
約15分後、2人の食事を終え俺が食器を洗い、
凪都は家の掃除をしてくれている。
凪都曰く、「るいの家で泊めて貰ってるん
だから何か手伝いたい。その上魔法を教えてくれるんだ!掃除くらいしないと!」と言う
ことだった。俺は凪都の圧に負け、掃除をしてもらうことにしたのだ。
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