第15話

そして、俺達の模擬戦に決着が着いた。俺は、凪都により右肩から左腰にかけて切られた。

幸いなことに、俺は傷が浅く出血もあまり

出なかった。凪都は、俺に峰打ちをされ気絶

した。


...これくらいなら、すぐ傷が塞がるな。


そう思い俺は、自分の怪我を放置し凪都を抱え上げて空間を出た。すると、さっきまで怪我をしていた部分が綺麗に跡もなく治っていた。


無論、凪都の背中の傷もである。だが、流石に気絶は戻すことはできなく隠し場所にある

ベッドに寝かせた。そして俺は凪都に姿が見えなくさせる魔法と強めの結界を張り国の奴の

反応を見に行く。


すると、国の人々が全員広場にいた。俺はあまり状況がわかっていない風を装い全員に話し

かける。


「あれ?皆さん、どうしたんですか?」


「あっ!!だ!」


奴らはそう言い俺の方に蛆虫のように近づいてくる。俺は、ゴミを見る目で見そうになるのを必死に抑え奴らが思う英雄操り人形

しそうな顔でキープする。


「実は朝から王様と騎士団団長様が行方不明なんです!」


「あぁ、確かに今日の朝俺の家に雷本らいもとさんに聞きましたね。まだ戻っていないのですか?」


「あぁ、英雄様は今まで何してたんだ?」


「俺は王様と騎士団団長の情報収集をしていたんです」


「何か、分かりましたか!?」


俺がそう言うと、奴らは希望を持ったように

明るく聞く。俺はまた汚物を見る目で見そうになり、必死で取り繕う。


大丈夫だ、もうすぐしたら俺がお前らを皆殺しにしてやるからその後王に会えるぞ。


俺は、そう言い放ってやりたかったが喉元まで出て来たが言わないようにした。


「いえ、めぼしいことは何も。わかったのは後門番2人も行方不明だと言うことです。それに城の人達があんなことになっているということは彼らはもう..」


「なっ!!騎士団団長様はあなたの幼馴染みでしょう!?失敗ではないのですか!?」


「いえ、そんな訳ではありません。彼なら、

いや彼ほどの実力なら王様を守り抜けるという

信用があるのです。それに、俺があまり遠くに

行くとあなた達が危険に晒された時守れなく

なります」


「え、英雄様..」


俺は、英雄らしい理由を並べた。すると奴らは尊敬している顔をしていていた。


....反吐が出る。お前らは俺がいない時は薄汚く俺の悪口を言ってるのは分かってんだよ。気味がわりぃ。このままここにいたら、素が出そうになる。


「もう少し情報を集めたいのでこれで失礼します」


「は、はい!ありがとうございます!」


俺はその言葉を背に家に帰った。俺が思った

通り少し離れた所で俺の悪口を言いまくる

奴ら。


ほんとに救いようがねぇな。あのゴミクズ共。


そして、俺は苛立ちながら家に帰った。

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