第14話
先に動いたのは俺だった。俺は凄まじい速さで凪都の背後を取り、左から右に刀を一閃した。
凪都は背中に掠りながら寸での所で前に転がり
避けた。凪都は背中の切り傷のことを気にする余裕もなく冷や汗が額を伝う。
「るい、後ろから攻撃するのはやめねぇ?」
「え、なんで?」
「だって、直接真剣勝負したいからさ」
「まぁ、いいけど背後の攻撃もちゃんと防げるようになれよ?下手したら、それで死ぬこともあるんだからな?」
「は、はい」
俺の物言いに、凪都は申し訳なさそうに答える。だが、凪都の顔を見た俺は凪都の内心を察した。
なぎのことだし(お前が気配消す時ほんとに気配なさすぎて怖ぇんだよ!トラウマになるわ!!)とでも思っているのだろう。
と俺は思う。 正解である。いつもは凪都の背後は俺が守っていたため、凪都も自分で背後を
守るということに慣れていないのだろう。
まぁ、今は真剣勝負だし今回はやめとくか。
俺はそう考え、再度刀を構え今度は正面から
凪都に連撃を繰り出す。凪都はギリギリ躱し、
弾き、いなした。
俺の持つ刀は、刀の中で真ん中の重さで頑丈に作られている。その上、使う時は刀の刀身を魔力で守っているため相当のことがない限り俺の刀を折ることができない。だが、凪都の剣は俺の刀より重く小回りが効かない代わりに防御力がとても高い。
いくら体力のある凪都や俺でも体力には限界がある。先に疲弊したのは、凪都だった。そして凪都はだんだんと俺の連撃を対応しきれなく
なって行った。
それを察した俺は、凪都の一瞬の隙を狙い軽く脇腹に蹴りを入れた。凪都は、その威力で「がはっ!?」と言いその場で咳き込みながら座り込んだ。
「ゴホッゴホッ!痛ってぇな!今までで1番の
痛かった気がするわ」
「え!それはすまん。お前にしては隙が多すぎてるなって思ってな..」
「まじかよ、俺結構気ぃ張ってたんだけど?」
「まぁ、魔力も纏えてなかったくらい必死だったんだし仕方ないといえば仕方ないけどな」
「え!?まじかよ、上手く纏えてなかったのか!?」
凪都はそう言い、驚いていた。どうやら無意識だったらしい。
魔力を纏うのは集中力がいる。そのため、攻撃や防御に集中すると魔力を纏えなくなるのだ。
俺は、座り込んでいる凪都に話しかけた。
「なぁ、そろそろ決着つける?それとも降参
する?」
「...そうだな!決着つけようぜ!」
凪都はそう言い俺が差し出した手を掴み立ち
上がる。そして、俺達は互いに距離を取り、
互いの本気の技を繰り出す構えをした。刹那、
俺達は同時に動き本気の技を繰り出した。
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