第10話

15分後、俺と凪都は食べ終わり食器を洗って

いた。俺は食器の汚れを落とし、その汚れを

泡ごと洗う。凪都は清潔なふきんで食器の水滴を吹き取るをしていた。そして、2人は流石

幼馴染と言うべきか流石のコンビネーションで早く食器の片付けを終わらせた。


「いやー、終わった終わった!るいの飯まじで

美味かった!」


「そうか? まぁ、ありがと。それに食器の片付けまで手伝わせてすまんな、凪」


「いや、いいってことよー!お前と俺の仲

じゃん!」


「それもそうだな!」


俺と凪都は、リビングでのんびりしていた。

だが、2人とも元々は武闘派で動くのが好きな

ため退屈に感じるのに時間は掛からなかった。


「...暇だ。なぁ、るいーもう実行しよーよー」


凪都はそう言いテーブルに突っ伏している。俺も退屈には感じてはいたが、計画は夜にした方が色々と都合がいいのだ。そのため、俺は暇を潰せることを考えた。そして、答えに出たのは..やはり戦闘だ。それしか2人の頭の中には思い

浮かばなかったのだ。


「なぎ、模擬戦をやるのはどうだ?お互いの

身体起こしに」


「おっ! いいじゃん! 俺、最近骨のある奴と

戦ってねぇからなー」


「じゃあ、決まりな。どこでする?」


「そりゃ、るいの作った空間でだろ」


凪都はさも当たり前のように言った。空間魔法は自分が思ったように操れる。ずるい人間は、

自分が有利になるようにコントロールすること

だってある。そんな勝ち負けのハンドルをわざわざ俺に渡すと言うのだ。


「はぁ、俺がもし自分に有利なふうに変えたらどうするんだよ?」


「そんときは、俺の見る目がなかったってことだろ? それに俺はるいがずるをするような奴には見えない」


「分かったよ。てか、動揺しなさすぎだろ」


俺はそう言いながら戦闘用の空間を作って

いる。戦闘は、この時点で始まっているのだ。まだ試合のゴングがなっていなくとも互いが

睨み合うように、俺と凪都は今味方ではなく

敵同士だ。


よし、これでいいか。俺らが本気でやっても、壊れない程度に頑丈だったら何でもいい

けどな。


「なぎー出来たぞー」


「おぉー、さすがに壊れないよな?」


「さすがに壊れない程度には作ってる」


「だよな!流石に最強の瑠斗さんがしてるもんな! 」


「ちょっとそれは余計」


俺がそう言うと、凪都は「おっと、失礼」と

言いながら俺が作った空間の中に入って

行った。


...こういうのって作った本人が先に入るもん

だよな?


俺はそう思いながら、自分で作った空間に

入る。すると、凪都が驚いた様子で固まっていた。

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