第11話

俺は、固まってる凪都に話しかけた。


「なぁ、なぎ?どしたん?」


「...お前、これが全力?」


「え? 違うけど? これは大体10%くらい?

早い方が良いと思ったからとりあえず頑丈な奴作ったんだけど何かおかしなところあった?

あったらやり直すけど?」


「いやいや! その逆!こんなすごい空間魔法

使える奴お前以外にいねぇよ!」


凪都はそう言い、楽しそうに空間を見回して壁や床を触っていた。俺からすれば普通なため、凪都がこんな風に喜んでいる理由が理解できなかったのだ。


うーん、これじゃあ模擬戦できないか。


そんな俺の考えとは裏腹にキラキラした目で

話しかける凪都。


「るいーこの空間は簡単に操れるんだよな!?」


「え? あぁ、操れるぞ」


「まじか! じゃあ..!」


凪都はそう言い俺に、この空間を操らせた。俺は、魔法も武術も得意だが魔法に関してはサポート系の魔法の方が上手く操れる。


まぁ、全てにおいて周りより上手く操れるため最強になって英雄になったんだけどなー。


俺がそう思っている隣で笑いながら、研究していた。凪都は向上心がある、真面目な人間

なのだ。この国で2番目に強い人物になるだけはある。


「なぁ、るいー。いつから、こんなに上手く

魔法使えるようになっただよ?俺、何も聞いてないぞ?」


「あぁ、両親が亡くなってから魔物を倒してたのは朝5時から夜の夕方の5時くらいまでは近接武器縛りしてて夕方の5時から朝の5時までは魔法縛りかなー。飯はそこら辺で見つけたの肉食いながらそれを1ヶ月前までずっとしてた。あ、ちゃんと疲れたら休憩したり野菜も食ってた」


「え?..ちゃんと睡眠取ってた?」


「うん、疲れた時に仮眠してたし。大体1ヶ月に1回くらい家に帰ってベッドで寝てた。風呂は家で毎日入ってたぞ!?まぁ、風呂の時だけ家に帰ってたけど」


俺のルーティンに驚いた凪都に説明した。


俺は最低限の暮らしをしながら、ほとんどの時間を自分の剣や魔法ついでに金稼ぎに使っていた。事実に気づく前までは。


「も、もしかして..俺がお前の家に行った時は

毎回家に居たのって..」


「あぁ、なぎが来そうだなって思って事前に家に帰ってたんだ。それにずっと野宿は、さすがに嫌だからなー。空間魔法を操れるようになってからは空間の中で寝てたし」


「俺、いつ来るかとか言ってなかったのに何で分かったんだ?」


「うーん、勘?」


「勘って..」


凪都は、呆れてたように言った。俺は空間を

操り、テーブルと椅子を作り出した。俺は驚いて固まっている凪都に話しかける。


「どうしたんだ? 足が疲れるかなって思って

椅子作ったんだけど?」


「え? あ、あぁ..ありがと」


凪都はそう言い椅子に座る。それを見て俺も

座る。凪都は、模擬戦のことは忘れているの

だろうと考えていた。だがしばらく2人で話していると、凪都がおもむろに椅子から立ち口を

開く。


「るい」


「ん? どした?」


「そろそろ、模擬戦する?」


「あっ、やっと?お前忘れてたろ?」


「うっ、はい」


凪都は、恥ずかしそうに答える。俺はやっぱりなと思いながら椅子から立ち上がり椅子やテーブルを片付けた。


「おぉ!こんなに早く片付けられるんだな!」


「御託はいい。話しは後にしよう」


「あっそうだったな! やるか!てか、意外と

戦闘狂だったんだなーお前」


「いや、そんな訳じゃ..まぁいっか。さっさとやろ」


俺っていつから戦闘狂になったんだろ?まぁ、気にしたら負けか。


俺はそう思い考えることをやめて模擬戦を始める。

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