第9話
翌朝、俺と凪都はずっと起きていた。
6時を過ぎた時、俺の家を尋ねた奴がいた。
「なぎ」
「はいよー、俺らしか絶対分からない場所に
隠れてるわ」
「了、気配も消しとけよ?」
「はいはい」
凪都はそう言い、隠れる。 俺は隠れたことを
確認してドアを開ける。
「あぁ、やっと出た!」
「すみません、眠っていまして..。それより、
どうかしましたか? こんな朝早くから?」
「あ、それはすまない。だがそれを気にする
余裕がない程の事件があったんだ」
「え? 何かあったんですか?」
その事件は予想通りだがな。
俺がそんなことを考えていることなど知る由もない尋ねてきた奴は事件の説明をする。
「あぁ、お前が分からないのも無理はないか。実は王様と騎士団団長様が行方不明になったらしい」
「なっ!? なんですか、それ!何か情報はなかったですか? 」
「あぁ、犯人は相当の手練らしくてな。まだ
何も分かっていないらしい。それに..」
「それに?」
「行方不明の人達以外は殺されていたんだ
そうだぞ」
「えっ、じゃあメリア王女も!?」
「そうらしい、残念だったな..仲良かったのに」
俺が驚いている演技をしていると、尋ねてきた奴も俺の肩に手を置いて励ますフリをして
きた。
思ってもないくせに。
俺がそう思っていると、尋ねてきた奴は俺の肩から手を退けて口を開く。
「まぁ、何か分かったらまた来るさ。お前が
犯人かとも一瞬思ったけど、そんなことする訳ないよな!お前は」
「当たり前じゃないですかー」
俺がそう答えると、尋ねてきた奴は笑いながら帰って行った。俺はドアを閉めて鍵を閉め、
ため息をつきながら凪都を呼んだ。凪都は、
途中から魔法を使い俺の後ろにいたためすぐに返事が来る。
「なぎ、なんで隠れてないんだよ?」
「だって、俺の魔法を見抜ける奴なんてお前
しかいないし気にしなくていいかって思って」
「あー、なるほどな」
とりあえず、俺と凪都は魔法で体を清潔にした。
そして俺と凪都の2人で食事をする。無論、俺が食事を作った。俺は、今の凪都の味の好みが
分からなかったため6年前好みだったものを
作ったのだ。そして、俺は作った料理2人分を
テーブルに置いた。凪都はソファーでゴロゴロしていた。
「なぎー、飯出来たぞ」
「おぉー、ありがと。...って、これ全部俺が
好きなやつじゃん!覚えてたんだな!」
「あぁ、今も好きかは分かんなかったけど。6年前、好きだって言ってたからな」
「すげぇな、6年前のこと覚えてるなんて。俺には出来ないな」
「お前だって、俺の好きだったもの覚えてる
だろ?」
「まぁ、お前の好きなもんは覚えてるな」
「だろ?」
2人は、そう言い合いながら俺と凪都は朝ご飯を食べた。
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