第11話 寝とり
◇PM7:15
いつも通り帰宅すると、そこには一足知らない女の子の方があった。
「ただいまー」
「おかえり。ずいぶん遅かったわね」と、母さんがつぶやく。
「うん」と、適当に返事をして風呂に入ろうとすると、「ちょっと待って。今、雪花の友達が入ってるから。あんたは後にしなさい」
「...はーい」
危ない。危うく命を落とすところだった。
どうやら今日は妹の友達が泊まるらしい。
そんなどうでもいい情報を受け取った俺はできるだけ鉢合わせをしないようにしようと心掛けながら部屋に引き篭もるのだった。
結局、ご飯を食べた後風呂入ることもなくそのまま寝てしまった。
だいぶ疲れていたのだろう。
学校で人と話すのはやっぱり疲れるものだな。
◇AM2:15
目を覚ますと目の前にはデジタル時計があり、時刻は2:15を指していた。
変な時間に起きたものだと、携帯でもいじろうかと暗闇の中、左手で探そうとすると、何やら得体の知れない感触が左手に走る。
「ひゃっ//」という小さい悲鳴。
雪花のやつが寝ぼけて俺のベッドに入って来た?と思っていると、「い、いきなら...おっ、おっぱい触るなんて...//エッチなんですね...//」と、今朝聞いたばかりの声が聞こえる。
「は?」という声だけが漏れた。
暗闇の中でもだんだんと姿がはっきりする。
その正体は園原であった。
「...何してんだよ...」と、当然の疑問が言葉になる。
「...我慢できなくて来ちゃいました//」
「いやいやいや...意味わかんないから」
「...私の妹と雪花ちゃんって...友達なんだよ?//知らなかった?//」
今日泊まってる雪花の友達って...。
「...園原だったのかよ」
「...うん//だから、ずっと前から知ってたんだよ?//岡田くんのこと//」
「...」
いやいやいや、え?何?俺このまま殺されちゃう感じ?どういう流れ?
「ねぇ、加賀島さんとはどこまでしたの?//」
「...いや、どこまでもないけど...」
「そう...//」
そういうと、俺の手を取って彼女の胸ら辺に持っていく。
小さい膨らみが手のひらに伝わる。
「ちょっ!?//」
「じゃあ...さっきの続きしよう?//」
「待て待て待て待て待て。俺は別に園原のことはそんな風に見たことないし...」
「...幼児体型じゃ女の子としてみれない?//」
「そんなことはないけど、色々おかしいだろ」
「おかしくはないよ//別に私と付き合ってというつもりはないよ?//ただ、私は好きな人と交わりたいだけだから//」
「分かった。話は聞く。とりあえず今日は妹の部屋に戻ってくれ」
「...その言葉信じていいの?//」
「...おう」
すると、渋々ベッドから起き上がる。
「...したくなったらいつでも呼んでね?//」と、そう呟いて園原は俺の部屋から去っていった。
「...この世界にはヤンデレしかいねーのかよ」と、思わずつぶやくのだった。
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