第4話 平穏
「それは助けるべきだと思う」と、幼馴染の
「...そりゃ...分かるけど。俺のリスクも考えてくれよ」
「あんたのリスクとか知らないけど、その子は助けたほうがいいでしょ」
「...そりゃそうかもしれんけどさー」
結菜は俺とは違う高校に通っており、関わるのは放課後のみであった。
そのゆいなに最近の学校の出来事を話すと、いじめられている彼女を助けるべきだと言うのだった。
「証拠の動画とか撮ってないの?」
「まぁ、一応あるにはある」
「渋ってる割にはちゃんと撮ってるじゃん」
「自己保身のために一応取っておいたんだよ。自分はいじめに関与していないという証拠になるからな。使い道はいろいろ考えていたけど...」
「使い方?」
「ぶっちゃけ、学校にちくるのは意味がない。問題にならないように内々で処理される可能性が高いし、退学にならなければ問題の解決にはならないからな。次に警察だけど、学校のいじめでは警察はなかなか動かない。動いても先生方へ報告する程度のものだろうからな。その次がマスコミ。これも真剣に取り合ってくれればいい社会問題になるから一つの方法としてありだけど、動いてくれるかもわからないし、不確定要素が多いからNGかな。結局一番いいのはSNSへの拡散だろうな」
「でも、SNSに投稿するのはやばくない?」
「もちろんバレたらやばいけど、逆にバレなきゃなんの問題もない。名前と顔とそのほかの知ってる情報を載せて終わらせる。本当に行きすぎたいじめになったと思ったらやる予定ではあったけどな」
「...なんだかんだ優しいね。相変わらず」
「別に。自分が被害に遭う可能性もあるし、普通に不快だからな」
「じゃあ、助けてあげるの?」
「タイミングをみてだな」
◇
「さてと、反撃と行くか」
「...なんで助けてくれるの?」
「別に。俺も巻き込まれたからってだけの話だ。それで?君はどうする?俺に協力する?」
「協力って何すればいいの?」
「いや、別に何もないが。強いて言うならそうだな...。俺のやることを黙って見ている。それだけで十分」
「...見返りは?」
「別にいいっての。さっきも言ったが俺は君のために助けるんじゃない。俺の平穏のために助けるだけ。それだけのことだから」
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