第2話 そして始まる
6月11日 AM7:45
何事もないいつもの日常。
日直のため早朝から学校に到着すると、それより早く女子3人組がすでに教室にいた。
それは...非日常的な出来事だった。
ちなみにざっと女子三人の特徴をまとめよう。
化粧上手のすっぴんぶす。
3人組のリーダー格であり、このクラスのカーストトップ。
頭が切れるゴミくずといった感じの印象だった。
一人では何もできない腰ぎんちゃくゴミ人間。
相沢といるときは騒がしいが、一人の時はおとなしいゴミ人間。
なんかいっつも一緒にいるよくわからない女。
特に害はないが、まぁあの二人とつるんでる時点でごみである。
普段であれば遅刻ギリギリに来るはずのやつらが揃いも揃って教室にいるなんて。
それだけじゃない。
奴らが集まっていたのは窓際の席。つまりはあの加賀島の席だった。
すると、俺の存在に気付くと奴らは鼻で笑う。
何やら彼女の机に何か小細工をしているようだった。
そのままクスクスと下卑た笑いを浮かべながらこちらに向かってくる。
「今見たこと、あいつに言うなよ」
明確なまでの脅し文句といった感じだった。
俺はコクリと首を縦に振ると、そのまま教室から出ていく三人。
それがなんだったかはすぐに分かった。
それから30分ほどたったころ、いつものようにクラスメイトが教室に入ってくる。
その中にはあの加賀島もいた。
その時点で教室内に異臭が漂っていた。
怪訝そうに「何のにおい?」というクラスメイト達。
そんなクラスメイトの中を通り抜けるように彼女は自席に座る。
そして、わかっていたかのように机の中をのぞき、それを取り出した。
それはビニール袋に入った何か。まぁ、恐らく犬の糞だったのだろう。
そうして、俺以外にもその彼女の行動を見ていた人がひそひそと話し始める。
「加賀島のもってるあれ...」「何あれ?」「...誰の仕業?」と、ひそひそと犯人探しを始める。
いや、犯人探しをするまでもなく、恐らくみんなの脳には容疑者の顔が浮かんでいた。
そうして、それをもって教室を出ようとしたタイミングで、奴らが素知らぬ顔で教室に入ってくる。
「おっはよー、加賀島さん。って、何!?くっさ!w何もってんのそれ!?」と笑う相沢。
「...知らない」と、呟く加賀島を女子三人が囲む。
「うっわ!うんこじゃん!wこんなの学校に持ってきちゃダメでしょw」と、吉田も続く。
「いやいや、自分で持ってくるわけないからw誰かにやられたに決まってんじゃん!wかわいそ~!私が犯人探してあげるからね!ね!w」
「...いい」と、呟きそのまま三人をすり抜けて、職員室に向かっていく加賀島。
すると、奴らはそのまま黒板に向かい、こう書いたのだった。
【加賀島はうんこ女】
そして、ゲラゲラと笑う。
低俗な笑い。いや、低俗以下。まさにやつらこそ家畜のうんこ以下の存在そのものだった。
そのまま、教壇の上に立った相沢はこういった。
「いったい誰がこんなひどいことしたんだろうね~!w」といい放つ。
この日を境に彼女へのいじめが始まるのだった。
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