第1話 紹介【動画公開中】

 加賀島かがしま ユリンは美少女である。


 そんなことは誰が言わなくても、空が青いのと同じくらい、明白で明確な事実である。


 しかし、美少女だから人気者なんていうのは酷い思い込みである。

美少女にもインキャな性格の子もいるし、美少女だからってクラスの人気者とは限らない。


 そう、まさに加賀島ユリンはそういった美少女だった。


 ◇


「あいつ、本当ムカつくよね。この間サッカー部の浦島先輩のこと振ったらしいよ。まじ何様って感じw」


「まじ!?wまぁ、あいつは美人なことだけが取り柄だからねーw」と、女子達がバカにしながらケタケタと笑う。


「相変わらずかわええーな。てか、ヤリマンって噂本当なのかな?お願いしたらやらせてくんなーかな?」


「お前の顔じゃ無理だろw」


「じゃあ、俺よりブサイクなお前はもっと無理だな!」と、男子たちがイヤらしい目線を向けながら笑う。


 控えめで大人しく、空気を読むのも苦手で、人付き合いができない俺とは違う理由でボッチな彼女。

最初こそ、それでも美人というかけがえのない取り柄がある分、普通のボッチである俺より全然マシと思っていたが、それは違うことに気づいた。


 彼女はなにもしていないのだ。

俺の場合は他人から気持ち悪いと思われる行動をしたり、言動をしたりで避けられることが多い。


 けど、彼女は違う。

ただ可愛いから僻まれ、妬まれ、避けられ、噂され、一人になった。

彼女に落ちだなんて何もなかった。


 そうして、窓際で一人本を読むいつもの彼女を俺は長い前髪で視線を隠して見ているのだった。


 俺たちの物語はここから始まるのだった。



【第1話をYouTubeで公開中】

こちらからアクセスできます!

https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818023214183389580

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