放課後採寸タイム
「で、脱げばいいのか?」
――保健室内の個室スペース、中には俺と委員長、そして採寸用メジャーを持った
「インナーの種類は?」
「タンクトップっぽいやつ」
「そうですね、ではパンイチになってもらう形で。……ワタシとツナは後ろ向いてるので、脱ぎ終わったら声がけください」
さっきまでの勢いが嘘のように淡々とした口調だ。温度差で風邪引く。……まあいい、さっさと済ませよう。
――ポロシャツのボタンを外して脱いで椅子にかけて、ズボンを脱いで、タンクトップも。
体育の着替えでもここまで脱ぐことはないな。身体測定くらいか? 女になってから学校で測ったことはまだ無いけど。
「脱いだぞ」
――声をかけると同時、
「丁字くん、ちょっとごめんね。すぐ終わるから――」
◆
メジャーを少し引っ張り出して、丁字くんに近付く。……肌、赤ちゃんみたいにすべすべでなめらかだ。うらやましいなあ、からだは華奢だし、髪の毛もふわふわで……――と、いけないいけない。作業に集中。
「えーと、まっすぐ立って……腕を少し浮かせてくれる? メジャー通すね」
「ツナ、水着だからアンダーはいいですよ。トップと一応ウエスト、ヒップの三箇所で」
こまりちゃんに頷いて、採寸再開。
胸囲に合わせてメジャーをくるっと通して、適度にきゅっと引っ張って――。
「……すれる、くすぐったい……」
「っ、ごめんね!? えーとっ、77っ!」
――数値をパッと確認して、メジャーをウエストの位置にずらす。
な……なに今のかわいい声……!!? 縮こまるみたいにぼそっとした、つい抱きしめたくなっちゃうような……! ……い、いや、落ち着けわたし。今は与えられたミッションを忠実に遂行するのみ……。
「え、えーと……ウエストは55……で、ヒップは――80かな」
「なら水着はSSサイズですね。Sか判断しかねていたのでやはり測ってよかったです。――ふたりともお疲れ様でした。丁字は服着ていいですよ」
丁字くんがもぞもぞと着替え出す。……もう少しゆっくり丁字くんの綺麗なからだを眺めていたかった、なんて思った自分に軽くビンタ。
「……蚊でも居ました?」
「いやっ、なんでもない……! あ、そ……そうだっ! こまりちゃんが丁字くんに選んだ水着ってどんなやつ?」
「ああ、今出しますね」
そして、スマホに映し出された商品画像は――。
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