第9話・自動車

 私は自動車に転生していた。

 どんな自動車かと言うと、F1とかで使われるレースカーだった。

 私が知る限り、最も寿命の短い車だと思われる。

 色々な物に転生してきたが、転生した記憶は全てではないが、覚えている。

 寿命は、本レースであれば、そのレースで無事生還しても、尽きる。

 普通の車と違って、とても簡易に作られているからだ。

 部品はレンチひとつで交換出来るような簡単な作りに。

 ドライバーが私に乗り込む。

 スタートラインに立つ。

 スタートの合図で走り出す。

 凄まじいGが襲いかかる。

 トップに立つ。

 しかし、それは束の間だった。

 突如、右前輪が外れ、クラッシュしてしまった。

 私は中にいるドライバーと共に回転して、私の身体は散りじりになった。

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