第19話 午前4時5分

2月に入ってから必ず午前4時5分に寝てる間に不在着信が入っていたんです。サイレントモードにしててバイブレーションすら鳴らないようにしているので特に何の影響もないのですが、いつも決まった時間に一回だけかかってて、早く間違いに気づいてくれって思ってたんです。それで昨日うっかりサイレントモードにし忘れたまま寝てしまったんです。熟睡してる自分の耳元で着信音が盛大に鳴り響いて、睡眠を邪魔されたというのもあって、通話モードに切り替えて


「夜中にうるせえっての!!」


と怒鳴っちゃったんです。そしたら


『…お邪魔して…いいですか?』


て、ノイズ音混じりだけど確かに女性の声が聴こえて思わず、来ないでください!て返事しちゃったら電話を一方的に切られたんです。ツーツー…という無機質な音で我に返って、本当にうちに来てしまったりするのかなって布団被ってビクビクしながら朝まで起きてたんですけど、何もこなかったんですよ。イタズラ電話でほっとした反面、睡眠をじゃまされたことにイライラしながら新聞受けから新聞を引っこ抜いたら1枚の紙が床に落ちたんです。


【2024年 2月12日(月)AM 04:05:20

XXとお邪魔しました。また行きます。】


て、書いてありました。XXについては読めなかったんですが、裏面に幼稚園児がクレヨンで描いたような人間のイラストもあったんです。XX・まま・ゆうきって何故か自分の名前も書かれていたんですけど…。それから数日経ってからですかね、友人と遊ぶ予定を調整するために3月のカレンダーを見たらクレヨンで丸がつけてあって


【XX・まま・ゆうき おでかけ】


て書いてあったんです。どこに連れて行かれるんですかね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る