付箋5:ふたつのきっかけ

 BMI18.0……低体重(やせ)

 うちのTANITA師匠がそう表示しいる。


 ここ数ヶ月ずっとこの調子だ。ちょっと痩せすぎた。でも私はまだダイエット生活を続けている。と言うか、やめたら元に戻る、という恐怖心からやめられずにいると言った方が正しい。


 そんな私は以前、かなり太っていた。小学校に上がってから太り始めた。幼稚園までは小さくてヒョロリとした痩せっぽちだった。登園バッグに入れたお弁当が重くて傾いてしまい、歩けずに倒れた。危ないという事で、お弁当がカステラになった。そんなエピソードがある。


 それが小学生になり、いきなり食に目覚め、あれよあれよという間に太った。両親はといえば、ほっとしたのか嬉しかったのか、好きなだけ食べさせてくれた。ミスケ状態だ。(※「心の付箋紙たち」付箋3参照)。


 運動会では私と気づかないほど激変していたらしい。自分の子供が見つけられないとか、それもどうかしてると思うが本当の話である。


 私はその後、成長期に増え→思春期に増え→……を順調に歩み続け、そのまま大人になった。身長は伸びずに横にばかり育った。ちょっぴり気にしてはいたものの、ダイエットは続かない。


 辛いし面倒くさい。どうせ痩せない。


 食べたいものが食べられない。お菓子、チョコレートパフェ、ミートソース、エビフライ……私はカロリーの高いものが大好きなのだ。


 「見た目とか関係なく私を好きになってくれる人がいればそれでいい。私は幸せだ。」そんなお気楽人生を謳歌していたある日の事。


 なんと自分の体重で足を痛めた。外科で診てもらった時、医師からそう言われたのだ。お恥ずかしい話である。その頃の私は保育の仕事をしていたのだが、大切なお子様の命を預かっている以上、足を痛めた状態ではこのまま仕事をするのは不可能だった。足が治ったとしても、この身体であり続けていたらまた痛めてしまうだろう。


 私は思い切って仕事を辞めた。


 そこから私のダイエット生活が始まった。見事に痩せて仕事復帰するぞ!!!


 ──とはいえ、子供の頃から筋金入りのぽっちゃりさん。これを絞るとなるとかなり時間がかかる。相当な覚悟がいると感じた。


 私は一年かけて標準体重に成る可く、目標を立てダイエットを開始した。ちなみに標準体重まで約30kg落とさなければならなかった。


 足を痛めてるので、まずは軽い散歩からスタートした。足を庇いながら歩いていたせいで腰も痛かった。食事も一から見直した。


 こうと決めたら意外とちゃんとやるタイプだった。今までなぜダイエットしなかったのかと言うと、辛くて続かないという理由の他に、そんな思いまでして痩せる必要が無かったからだった。別に不自由は無い。このままでいいじゃん、と思っていたからだ。


 そんな時ある人に言われた。「今はまだ若いからいいけど、ある程度歳とったらその体型じゃ絶対色んなところにガタが来るよ」


 いや、まだまだ先の話だし、と思っていたが、その後すぐに足を痛めたのだ。自分の体重舐めてた──。


 ダイエットを始めて数ヶ月過ぎた頃には既に7kgほど痩せてた。足も腰もかなり良くなり次のステップへ移行した。ロングウォーキング、ヨガ、筋トレ等のエクササイズを開始した。食事の自己管理も順調だった。それらはある程度ルーティン化され、自分の生活の基本となった。


 そして一年後、ついに標準体重になった。私はやり遂げたのだ。


 痩せた事で変化した事が何点かある。まずは洋服だ。今までの服がガバガバになり、買い替えなければならなくなった。あと、寝ている時に自分の骨が当たって痛かった。今まで極上のクッション代わりになっていた脂肪が無い、痛い、骨あったんだな……(笑)等々、自分の身体に対して常に新しい発見をしていた。


 それはさておき、ダイエットに成功した私はついに仕事復帰を果たす。心機一転、保育関係ではなくカフェの道へ進もうと決めた。今の職業である。


 その後も標準体重をキープしながら生活していた。そんな中、COVID-19の感染拡大で自粛生活を余儀なくされた。


 外にもほとんど出られず、勤務先も営業自粛、目に見えない不安を感じ、気が滅入る日々。楽しみといったら食べることだけになってしまった。そこから少しずつではあるが通常の生活に戻っていったものの、私はといえば6kgリバウンドしていた。


 これは…さすがにやばい。


 ある人が言っていた(一度膨らんだ風船は緩んでるから膨らみやすい)という言葉。いわゆるリバウンドを風船に例えて表現しているのだが、その言葉が私の脳裏を行ったり来たりしていた。


 そんな時、最大の重要情報が飛び込んできた。なんと我が推しのバレエワークショップのイベントが開催されるとの事。我が推しにバレエを教えてもらえるだと……?絶対行きたい!こんな機会二度と無いかもしれないし!!でもこの自粛太りで緩んだ姿を我が推しの前に晒すのか??無理!!!!!


 ──そこから人生二回目のダイエット生活が始まった。自粛太り解消ダイエットも兼ねての事だった。前と同じく食生活の見直し、休みの日は約10kmウォーキング。今の仕事はベリベリハードなのでそのままエクササイズになった。


 標準体重に戻すだけだったのだが、私は欲が出て一回目のダイエットよりも痩せられるのでは、と思った。


 こうして現在に至る。約一年半続けている。やればやる程絞れていく身体。ここまで来たら到達した事の無い数値を見てみたい。そんな事をしていたら少々やり過ぎてしまった。この執筆を機にキープ期に切り替えようと思う。


 改めて振り返れば、足を痛めた当初の体重からトータルで約−41kgだ。

 

 ……こうして書き出してみると我ながら凄い事になってないか!?


 ビフォーアフターに出られるかもしれない。





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