第3章
102 領都命名
領主館から薬屋に戻り準備部屋に入る。ヴェロニカは今晩あちらに泊まり明日の朝こちらに来るらしい。
まずは準備部屋の拡張を3段階行い大きさを80畳に広げ、アーラを連れて好みの異性を選んでもらいテイムする。
召喚獣は子供が出来なくなってしまったがテイムモンスターはどうなんだろうという疑問から来た実験だ。駄目なら野生のワイバーンを捕まえて繁殖させれば子供たちに残せるかも知れない。
名前をアデラとしてアーラと一緒に狩りをしてもらう様に命じておく。
残った魔素は偽ダークエルフ部隊に身体強化を覚えさせる事に使う。そういえばダークエルフの少女の治療が終わったしそろそろ彼女達に預けてもいいかも知れない。
死にかけていた彼女もドライアドを見た瞬間動き出し、今ではドライアドに言われた通りきちんと食事をし体を鍛えている。
どう見ても死にかけて寝ている人間が突然土下座をするように床に額を押し付けてうずくまったのには驚いた。
エルジーを見ているとそうは思えないが一応エルフにとって神の様な存在らしいからダークエルフは信心深い種族なのかも知れない。
口数は少ないがドライアドと契約しているフェリの事を巫女様と呼び懐いている様だ。次に月光の花の蜜を取りに行く時は連れて行ってあげようと思う。
次の日はまた違う奴隷商で傷病奴隷を購入してから炭鉱の街へ帰る。
炭鉱と炭鉱の街と辺境の村と呼んでいるが分かり難いからそろそろ名前を付けた方がいいかも知れない。
空の上でヴェロニカと相談しながら炭鉱の町に燃える木と言う意味のタイソン、辺境の村に東の開拓村と言う意味のイストリーという名前を付けて村長に念話で知らせた。
タイソンの街に着くと買ってきた物資と治療の終わった奴隷を下ろして仕事を振り分ける。
ほとんどは畑仕事に付くことになるが食事を作る者や警備、木工や細工の弟子など仕事はいくらでもある。
今日は金貨20枚分の奴隷を買ってきたが20人以上増えてもまだまだ足りなそうだ。
鉄鉱山にも奴隷が必要だろうから俺は傷病奴隷だけ買って奴隷不足にならないように配慮しているつもりだがさすがにレオゲンで買い集めるのはそろそろ止めた方が良いだろう。
買取額が上がって人攫い連中に渡る金が増えても嫌だし次は王都に行った時に買うことにしようかな。
ヴェロニカの執事であるホリスに王都に向かう事になったと伝えその間の街の管理を頼むと次の日は炭鉱の視察を行う。
炭鉱の中に入り管理人であるドワーフのサドラーと相談しながら精霊に柱を建ててもらい坑道を補強していく。
石炭が採れる範囲が横に広いため真っ直ぐ掘り進めるよりも掘った穴を石の柱で埋めて隣を掘ったほうが移動距離も短くて速いだろう。
まだそこまで深くは無いがトロッコ用の線路を敷くよりは楽だろうと運搬用に買ってきた金貨1枚と2枚のマジックバッグもいくつか渡しておく。
倉庫の在庫も順調に貯まっていてコークスの生産も問題無く行われていることを確認してから、買ってきた金属も使って軽油が使えるように改良を行った大型の炉を増設する。
貯まっていたコールタールも生産魔法で消費して軽油に変えたので多少コークスの生産費用を下げられるようになるだろう。
炭鉱の警備隊と顔合わせを行ったダークエルフの少女も、巫女様の住む街を守るためにと偽ダークエルフ達と一緒に働いてくれる事になった。
どちらも無口なので仲良くなれるかは分からないが訳有りのダークエルフ達だと思ってもらえたようだ。
視察が終わってタイソンの街に帰った後は自宅の整備をして過ごした、実際に住んでみると修正したい部分が色々と見つかったそうだが精霊のお陰で弄り放題なのは本当に助かる。
準備部屋に入りスマホを確認するとのきねぇさん達がワイバーンのテイムに成功したとのメールが来ていた。
奴隷を買ってきて農業をさせれば今なら大地主になれるぞと返信したら難色を示していたが、代わりに作ってほしい自宅の間取りと見た目の写真を送ってきたので明日にでも作っておこうと思う。
二人にはどちらの世界の物でもいいので鉄や銅製品、食品を持ってきてもらったら買い取る事になった。
特にチーズなどの保存が効く加工食品は売っている所を見つけられなかったので高く買取ると伝えておいた。
自分で買ってきた方が安くすむと分かっているが発注しなければいけない物はどうしても面倒だし、受け取りのために地球側にいなければいけなかったりで今の生活をしていると少しでも買ってきてくれるだけでとても助かる。
販売先は石炭を買っていく商隊だったりするのでそんなに売れないかも知れないが金になると分かれば専用の商隊も組まれるようになるだろう。
送られてきた間取りを見ると衣服を販売するのは確定らしく店舗と工房と思われる部屋が書かれているのでいずれは服を注文する事の方が多くなりそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます