歩いてるだけでダンジョンを攻略したいニートの散歩

93 大暴落でも高額買い取り

　準備部屋に戻りメールを確認すると政府に送ったメールに返信が来ていた。このアドレス返信あるんだ…と思いつつ内容を読むと実験のため複数の霊石を提供して欲しいという内容だった。

　値段はかなり安くなる様で魔素で計算した場合1千万の値をつけていたが現在は買い取りを停止しているらしい。

　交換で必要なポイントは高いが何に使うのか分からないため安めに設定していたがドロップ品として出るならさらに安くなるだろうとのことだ。

　それでも1個200万で買い取ると言っているのでこれは売りに行ったほうが良さそうだ、数も50個近くあるし一億円もらえるかも知れない。まぁ税金で半分取られるんだけど。

　それでもこの額は魅力があるので買い出しのついでに寄ってこよう。というか自衛隊や警察もダンジョンに潜っていたはずだが辿り着いていないのか？ネットにも攻略情報が上がってるから何人か50階まで行ってるはずなんだけどな。

　メールに書かれていた電話番号に電話して東京には住んでいないので最寄りの買い取り所に売りに行くと伝える。数が50個と伝えても全部買うと言っていたが上級ポーションって売る人結構いるのかな？

　問題無いと返事が来たので車に乗って新しく出来た県営の買い取り所へと向かう、5時で受付が閉まる役所の買い取りとは違い売却する人のために夜8時まで営業しているので今の俺には非常に助かる。

　来ることはあまり無いが日が暮れるまではあちらにいるので来れる事が少ないからな。

　計算のためのタブレットを見ていた職員さんが金額を見てこちらを三度見してきたが連絡はあったようで何事もなく取引が終わった。

　もちろんすべて振り込んでもらったがこうなるとデビットカードを作ったほうがよさそうだ。クレジットの枠そこまで大きく無いから金属を買おうとするとちょっと足りなく感じる。金なんて10万円分買ってもたった8gだからな、あちらで買ったほうが絶対安いだろ。

　マジックバッグがあるから現金を持ち運んでもいいけど下ろしてくるのが大変だよな。ATMで下ろせる数十万は入れておいてもいいだろうか。

　ホームセンターで調理器具などの必要な物資を買い込み鉄が欲しいので金属の板などを買っていこうかと見て回ると100gや1kgの細かい重量に分けられたインゴットが各種売られていた、金や銀も少量なら店員に言えば売ってくれるらしい。

　元からは売られていなかったと思うからこれもダンジョン需要によるものだろうか？

　売っていると言うなら買わせてもらおうということでカード限度額一杯まで鉄と石炭の加工用に炉が必要なので耐火レンガを買っていく。

　ノームに言えば作ってくれるかも知れないが地球の性能の物は作れないかも知れない。

　いや、今ここで聞けばいいのか精霊魔法は俺のスキルなのでこちらでも使えるんだった。

　YES、NOで聞き取りした結果材料があれば作れるとのことだったが材料を見ても粘土以外は何処にあるのかも分からない。精霊になんとか探してもらうしか無いだろう、ピザ窯が作れる程度の量しか売っていないのでどの道足りはしない。

　久しぶりに豪勢な外食を一人で済ませ家に帰り両親に自慢してみた。

　家電を一部買い替えることになったが現在進行系で心配させている事を考えても安いものだろう、家のリフォームは必要無いしやるとしてもトイレを良い物に変えるくらいか。

　車はほとんど使わないし車庫が無いので家にいないことが多い今、盗難されても面倒だ。

　地球で出来ることが終わったら準備部屋に入りゴブリン達を読んでシャドーキャットのテイムをしに行く。

　レベル上げのことを考えると2匹テイムして交代で護衛に付いてもらうのがいいだろうか。

　一匹の影から飛び出してきた黒猫達を減らして押さえつけ急いで触れてテイムする。

「お前達の名前はブラーとスカーだ。これからよろしくな。」

「「にゃー」」

　2匹にはシドーと同じバンシーの涙を使った銀細工の頭飾りを装備させてウォーターランスを覚えさせる。

　貨幣を鋳潰すのは普通は犯罪なのだが地球でもあちらでも何故かダンジョンに怒られない事はものぐさな連中によって確かめられている。

　ダンジョンや世界にとっては鉱石を溶かしたり剣を打ち直すのと変わらないということだろうか？単純に仕事として損耗した貨幣を作り直す職業があるからというだけかも知れないが。

　ウォーターランスを覚えさせたのはこの辺には火属性の魔物がほぼいない事とそれ以外の魔物が多いのが理由だ。別々の属性を覚えさせようとも思ったが使い勝手を考えると水が最適だと思う。

　必要になったらまた覚えさせればいいしまずはこれでいいだろう。

　2匹には今日は奴隷達と一緒にレベル上げをしてもらい明日からは交代で俺の影に入ってもらう。

　護衛はこれでいいが炭鉱周辺の警備にはやはり人数が足りない、元冒険者のケリーにはいざという時は戦ってもらうにしても夜間の交代要員も考えると3交代で6人は専属の警備員が必要だろう。

　戦闘の出来る人材を雇うにしても怪我の無いネヴェアは金貨3枚はするのでシルバーの戦闘奴隷6人を買うとなるとちょっと高い。

　現金はこれからいくら使うか分からないので余り使いたくないしホムンクルスで代用しようと思う。臨機応変さが必要な場合もあると思うので次に街に行った時にはリーダー役くらいは買って来ないといけないだろう。

　ちなみに冒険者を雇うという選択肢もあるが街ができた後ならともかくこんな何も無い所に何ヶ月もいたいと思わせるには相当な金額を積まないといけないだろう。

　ウルフに負けるようなブロンズはいらないしシルバーなら最低でも一日銀貨1枚6人雇えば月に銀貨180枚がレオゲンでの相場だろう。娯楽も酒場すら無いこんな辺境なんて3倍出しても俺なら行かないね。

　のきねぇさんのコレクションから出てきた髪を使い、拝借したヴェロニカ嬢の髪を混ぜて強いほうが良いだろうとレギオンの遺伝子として霊石を混ぜる。

　元が日本人の物だからか肌が小麦色になる以外は特に変わりが無かったがならば！とエルジーにレギオンを混ぜた所見事にダークエルフが出来上がった。

　これは良いとエルジーとレギオンは固定でフェリを混ぜヴェロニカ嬢を混ぜと色々した結果6人のダークエルフ部隊が出来上がった。

　武器は弓と短剣、防具はボンテージで決まりだろう。買ってきた染料も使いそれぞれに似合う色に染め上げ、銀貨を潰して属性耐性のブレスレットではなくピアスを作る。

　なんかダークエルフってピアスをたくさん付けてるイメージなんだよね、さすがに8個は多いから4属性分だけだがよく似合うと思う。

「全員立ち上がれ。右からリズ、ベティ、イライザ、エリサ、カレン、ケイトがお前達の名前だ。」

　順番に衣装を着せて行くがピアスは穴を開けないといけないと後から気がついて確認する、特に血は流れておらず指輪の様な丸いリングは回すことが出来るので穴は開いているらしい。

　痛みは無かったらしいが外すと穴は開いたままなので魔法的な何かが働いてくれたのだろう。

　リズだけは唯一エルジーとレギオンだけで作ったので身長が少し低く彼女達のリーダー役にするつもりでボンテージの色も一人だけ明るい白にしたので分かりやすい。

　それぞれ白、緑、青、赤、茶、黒と属性を意識して配色してみたが魔法を覚えさせるつもりはないので特に意味は無い。

　一気に人数が増えて名前が覚えきれないが顔を合わせれば簡易鑑定で名前が分かるのが救いか…バレないようにスキル取ろうかなぁ。

　ここまでやって自分が暴走していたことに気がついたが思えば今日は5時間以上焦らされそのまま動き回っていたのだった。

　彼女達のレベル上げが遅れてしまうが発散に付き合ってもらうとしよう。

　そういえばこの世界ダークエフルフが忌避されてるとか無いよね？あったらどうしよう。