第6話 夢
夢を見た後で、私は一人だった。
どうしようもなくて、もう一度眠ることもできなくて、換気扇の下で煙草に火をつける。カラカラになった喉に煙が巻き付いて咳き込んだ。
咳に震える体を落ち着けて、髪をかき上げれば、脳裏に焼き付いているのは夢でも見た彼の腕だった。
どうしようもどうしようもない彼の腕だった。
冷蔵庫の冷たい感覚が背中を滑り落ちていく。
息が全然、全然整わない。シンクにしがみ付くみたいに立った。
グラスに水を入れてみれば、やけに光が眩しくて、締め忘れたカーテンから朝日が差してきたことに気づく。
どうしようもなく、朝は来る。
もう今日は眠れない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます