No.7 強制的に夕飯を作らされてるわけではない。ちゃんと当番制です。
霧香はクッキーを一つ食べると、よほど美味しかったのか、
「っ〜!!!美味しいっ!」と言って足をパタパタさせて悶えている。
母さんがそんな霧香を見て、
「それなら良かったわ。霧香ちゃんのために作ったんだもの。まだ沢山あるからゆっくり食べてね。」とにこにこしながら言った。
「やっふぁりふぁふぁのおふぁふぃはおいふぃね〜。(やっぱりママのお菓子は美味しいね〜。)」とクッキーをもぐもぐと頬張りながら喋っている。
食べながら喋るなよ。と俺が思っていると、
霧香が「こら、ちゃんと飲み込んでから喋らないと、お行儀悪いよ。」と注意した。
凛音はクッキーを飲み込んで、「ごめんなさ〜い。」と言った。あんまり反省してないな。
「なあ、霧香引っ越したところってどこなんだ?」
「あっ、言ってなかったね。かな君家の前にある家だよ。」
「はぁ?!まじで近所じゃねぇか。なんか工事してたのはそういう事だったのか。」
そんな近いのか。近いって言っても10分はかかるかと思ってた。
「ねぇねぇ、今度霧香お姉ちゃんの家にお泊りしに行ってもいい?」
「えっ?うーん。まだ荷解きも少ししか終わってないから、それが終わって少ししたらお泊まりはできるかも。」
まだ荷解き終わってないのか。それなら、
「霧香、まだ荷解き終わってないなら手伝うぞ。重いものも結構あるだろ。」と俺が提案すると
「えっ!いいの?ありがとう!実を言うと重いものが全く動かせてないんだよね。家具とかは業者さんがしてくれたんだけど、他のは全く終わってないかったから。」
めっちゃ食いついてきた。よほど大変だったんだな。
色々話してた間にクッキーがなくなっていた。うん、美味しかった。
「ごちそうさま。美味しかった。」
「お義母さん、美味しかったです。」
「ママー、美味しかった!ごちそーさま!」
「良かったわ、また作るわね。霧香ちゃんもまた作った時は一緒に食べましょうね。」
「はいっ!」
荷解き、どうするか。俺は特に用事ないし、
「よし。明日、荷解きやるか。何時ぐらいからやる?俺はいつからでもいいぞ。」
「うーん、じゃあ10時ぐらいからでいい?私、朝ごはんも準備して食べなきゃだし。食材もまだ買ってないから、買い物からやらなきゃいけないんだ。」
朝飯だったら俺作れるんだけど、うーん。一人増えたくらいじゃそんなに変わらんだろ。
「霧香、明日の朝飯俺が作るんだけど、食べて行かないか。早めに食べて、早めに始めたほうがいいだろ?」
「作ってくれるのは嬉しいけど、かな君が作ってくれるの?」
絶対今、料理できるの?って思ったな。霧香。
「俺が料理できないと思ってたのか?」
「えっ、違うよ。むしろかな君の手料理食べられるなら嬉しい。絶対に美味しいもん。」
その自信はどこからくるんだ…?
「だって現役料理人のお義母さんから料理教えてもらってるんでしょ。そりゃ期待するよ。」
その事も話してたのかよ、母さん達は。俺は恥ずかしくなって顔を背ける。
「まぁ、期待してもらってたほうが作る方からしたらありがたいか。」
「お兄ちゃんの料理、すごく美味しいから!期待していいと思うよ、霧香お姉ちゃん!お母さんのはもっと美味しいけど!」
評価を上げて落とすな。
「期待してるねっ。かな君の手料理!」
「はぁ、期待し過ぎるなよ。」
「あら、そんな事言ってるけど奏音の料理結構上達してるわよ。」
「そうか?俺的にはまだまだだと思うんだけど。」
「そういえば今日の晩ごはん、奏音が作る日よね?」
「ん?そうだけど。」
母さんがにんまりと笑みを深めて、
「霧香ちゃん、今日の晩ごはん、うちで食べていかない?」
…まじかよ、母さん。
「えぇっ!いいんですか?いいの?かな君。」
「もちろん。」
まだいいって言ってないんだけど。勝手に許可するのかよ母さん。まぁ、いいか。
「いいぞ。霧香は嫌いな食材とか、食べれない食材ってあるか。」
「うーん、これと言って嫌いなものも食べれないものもないかなぁ。」
それだったら、冷蔵庫に、野菜の余りと卵とかもあったし、オムライス作るか。
「霧香、オムライス作るけどいいか?」
「うん!私、オムライス好きだよ!」
「良かった。それじゃ、俺はオムライス作ってくるから待ってろよ。」
「お兄ちゃーん!パパと尚弥お兄ちゃん、もうすぐで帰ってくるって!」
もうすぐ帰ってくるならちょうどいいか。
「凛音、父さんと兄さんに今日オムライス作るからって伝えといてくれ。」
「わかったっ。伝えとくね!」
凛音、今日は無駄にテンションが高いな。霧香が来てるからか。
よしっ、作るか。オムライス。
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更新遅くなってすみません。
昔一緒に遊んでいた近所の友達が、男子だと思っていたら女子だった。〜こんなにぐいぐい来るなんて聞いてない!! 南海 樹 @itsuki83180141
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