第2話 ほく山
ほくろちゃんという名前はいま流行りの白黒ハチワレに鼻の脇に可愛いほくろがあるからだ。外にいた時は一声も鳴かなかったのに、今はなにかあると「うにーん!」と叫ぶ女の子だ。
あとは良く「ううーん!」と言っている。細面のどちらかというとキツネな顔立ちで毛もしっかりつるつるタイプ。抱っこするとお尻がもちっと柔らかい。
ほくちゃんを抱っこすると、このお尻の柔らかさ
が抱っこする人間を魅了する。
ほくちゃんはテレビに映るディズニー映画や、フィギュア、ダンスが好きだ。普段は背もたれや人間を足場に空中を飛び回るのに、たまに大人しくしてると思ったらじっと見ている。
ほくちゃんも外にいた子でぼんちゃんといつも一緒にいた。ぼんちゃんが病院に行き、結局家猫になるのだが、ほくちゃんはその間お家に入りたくて毎日頑張っていた。ちょっとでも網戸が開けば、家の中を見ていた。可愛く聞こえるが、なぜか家の中の猫を威嚇していた。色々あって家猫にはなるのだが、この性格は変わってなくて他の猫をしばらく威嚇しており、だいぶ家猫たちは迷惑している。
そして人間には毎日子猫の顔や動きをしてみせていた。ほくちゃんは毎日朝起きると、うにーん!と可愛い声で言って抱っこをせがむ。
他の猫にはひっくり返って可愛くあそぼ!ってやってるくせに相手が近づくと鋭い爪で一撃する。あとは良く二本足で立っている。ぼんちゃんと違ってほくちゃんは人間ぽいバランスなのだ。最近判明したことだが、ほくちゃんのお尻は福田パンの出来立てとほぼ同じ柔らかさだった。
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