第2話・凶暴化

「遅いの!早く、早く!」

「待ってくれ!」

「待って!」

「ようやく追いついた」

 あたしは村の入口で、皆が追いついたのを確認した。

「は、早いよ」

 ミケは、ゼーハァ、ゼーハァと息を切らしている。

「ミケ、体力ないの!」

「そんなこと言われても」

「どうして村の入口に来たの?」

「モンスターの気配を感じたの」

「家からだよな?」

「もちろんなの!」

「後ろ来てるよ」

「分かってるの」

 あたしは、ギュッと右拳を握りしめた。

 体をひねり、拳を突き出した。

 イノシシ型のモンスターがいた。

 あたしは拳がモンスターに当たる直前動きを止めた。モンスターが既に意識を失っていたから。

 拳は空を切る。

 パタリとモンスターが倒れる。

「倒したの?」

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6才の幼女と英雄物語 浅貴るお @ruo

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