第22話 決勝戦

「決勝戦って相手のレベルも上がってるのかな?」


雫がオレにそう質問してきた

まぁ2-Aみたいな変な方法ではない限りは普通にレベルは上がってるだろう

予選のチーム分けはランダムなのでもしかしたらレベルが低い可能性もあるが


「でも麟斗と一緒なら安心だな!」

「そうか?相手のレベル上がってるし雫一回オレのせいでやられちゃったじゃん」


オレは前回希望に満ちた爆発で雫も巻き込んでキルしてしまった

だから見放されてもおかしくないとオレは思っていたのだが……


「でも麟斗蘇生させてくれて結局予選突破できたじゃん!だから関係ない!」


ものすごいポジティブ!

また爆発に巻き込まれてやられるかもしれないというのに

オレには少なくとも真似ができないな



「そろそろ決勝だね、麟斗」

「そうだね」

「ねぇ麟斗、絶対に優勝しよう!」


元々オレは優勝に対して執着とかはしてなかった

ガチで優勝目指すならオレは違う方を選んでやっていたからね

でも今は

雫というちょっと男勝りだけどかわいいパートナーがいる

できるだけ願いは叶わせてやりたい


「あぁ、優勝しようね、雫」


オレたちは優勝すると誓った

ここで優勝すればこれからのチェスでのミスは帳消しになってくれないかなぁ……

と思って


「さぁ、そろそろ始まるね!」

「あたし今回は3人で行動したい 麟斗は入江と連携取れるか不安かもだけど一回組んだことのあるあたしなら……!」

「わかった 入江、好きに動け オレはお前に合わせて動く」

「わかった水無月男 くれぐれも予選の俺みたいにすぐにやられないでくれよ?」


オレと入江じゃプレイングスキルというのにかなり差があるから少なくとも簡単にはやられない自信はある

最もかなりの実力者で集団リンチされたら無理だけれども



「ふむふむ……ここは……結構アイテム落ちてるとこじゃん ラッキー」


決勝がスタートした

各々転送が完了して、オレはマップ東側の集合住宅に転送された

ここは立ち回りが難しく、曲がり角を曲がったり部屋に入ったら敵がいる

というシチュエーションがあるが

各部屋ごとにかなりのアイテムが落ちているので立ち回りさえ気を付ければ比較的当たりと言える


「雫、今はどこにいるの?」

「あたし?あたしは東の……え〜と……シャッター街にいるよ!」

「オレは集合住宅にいるからある程度装備揃ったらそっち向かうね」


このゲームにおけるシャッター街は危険だ

特に経験の浅いプレイヤーにとっては

非常に視界が良く開けている大通りから一本抜けると細かい路地がたくさんある

路地は入り組んでいるので逃げ道には向いているのだが見通しが悪い

大通りで敵を注意しても路地からの不意打ちを受ける可能性があるし

ばったりすれ違うみたいなことも起きる


「雫、できれば隠れながら装備を集めて移動できる?ここで見つかったら面倒だ」

「わかった!麟斗がいれば百人力だからな!」


オレそんなに強くないから期待しないでほしいのだが…

そしてもう1人に確認を取るとしよう


「おい入江、今はどこにいる?」

「そうだな……東のシャッター街の近くにいる……」

「そうか、雫がそこにいるから合流してくれ 1人より2人の方がいい」

「岩崎と……わかった 水無月男はどこにいるんだ?」

「集合住宅にいる 装備が整ったら合流する見込みだ」


前回みたいにすぐに襲われてないみたいだな

よかったよかった

ここで襲われたら雫も巻き込まれて一気に2人いなくなる可能性もあるので前回よりも質が悪い

しかも決勝だ

レベルは上がってるだろう


「オレは装備集めますかぁ…ろ」


なるべく敵がいないことを祈る……

そんな願いとは裏腹にオレは戦闘に巻き込まれたので

嘘だろ……と思いつつ

オレは早速2キルを記録したのであった


───────────────────────


次回

遂に初結集!



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