第15話 ナイスコンビ

「雫、かなり上手になったじゃん」

オレたちは練習を続けた

最初は雫の精神面が心配だったが大丈夫らしいので練習をすることにした

「そぉ?全然そうは思わないけど……」

「かなり上手になったよ!これで体育祭も戦えるんじゃないかな?」

まぁ転送位置や周りに落ちてるアイテムの運がなかったら厳しいけどね……

「やったー!」

雫はオレにぎゅーと抱き着いてくる

よく懐いた犬みたいだ

「他の女の子に嫌われてても、他の男子によく思われてなくても、麟斗だけは、あたしの味方」

雫は本当はいい人なのに……

本当に可哀想だし辛そう

「べつに抱きつかなくても……」

「んーん、麟斗を感じたいの……」

オレを抱きついている雫の体は少し震えていた

本当は辛いのだろう

オレは雫の気持ちが理解できないけど雫のためになりたいと思ってしまったのでこのまま抱きつかれることにした


「ねね!麟斗すっごいいい匂いする……」

雫はいきなりそんなことを言ってきた

雫だってかなりいい匂いしているが

オレはそれを言ってしまうとセクハラになる気がなんとなくしたので言わないでおいた

雫が抱き締める力を強くした

体と体がさらに密着する

こんなのオレはサキとしかしたことなかった

オレはとあることに気づいたので聞いてみることにした

「雫ってさ……昔何かスポーツしてた?」

「……!空手と、合気道をちょっとだけ……」

やはりか、とオレは思った

「でも、人間関係がうまくいかなくって……」

雫はそう言った

確かに雫は美人さんだし、そういうトラブルあっても仕方ないのかな?

でもそういうトラブルがあると辛い

「なんで……わかったの?」

やべ……これ聞かれたら……どう答えればいいのかな……?

「えぇと……勘……?」

「最後ハテナ付いてるよ?ほんとのこと教えて?」

ハテナ付いてること見破られてしまった

「えっと……その……体が引き締まってるから……」

抱き締められる時に色々と当たって体が全体的に筋肉質で引き締まってることがわかった

だからスポーツやってる過去があったんじゃないか?ってオレは思ったのだ

「えっと……引き締まってるって……む……胸……も?」

あ、やってしまった…とオレは思い、

先日岡北さんが言ってたことを思い返す

空気抵抗少なそうな見た目をしている

と彼女は言ってた気がする

「あたし……Bあるし……そーゆーの以外と気にしてるし……確かに麟斗の幼馴染ちゃんよりは……小さいけどさ……」

なんかいたたまれない気持ちになり

雫のホールドを解こうとしたら

「だーめ、あたしの秘密知ったから、あたしの言う事1つ聞いて?」

おねだり以前に力が強い……!

そしてオレの片手を雫は自分のおへそにあてがって 

「ほら、腹筋、あたし割れてるんだ」

そしてホールドを解除してくれたが

「見て?ほら、ちゃんと腹筋割れてるでしょ?」

何がしたいのか……

雫はいきなりオレに腹筋を見せつけてきた 

何をするつもりなのか?

オレはよくわからなかった

「ねぇ、麟斗、あたし、麟斗のことが…!」


「水無月くん〜?チェスの練習…ってえ!?」


どうやら救世主(?)が来てくれたようだ

「み……みみみ……水無月くん……あなた…ろ」

救世主こと岡北さん

「あなた……変態系筋肉フェチ?」

どうやら誤解しているのでその誤解を解いてあげよう

「岡北さん、違う、違うんだ」

「水無月くん、わかるわ、傷心している岩崎さんの心の弱みに漬け込んで彼女の腹筋見せてもらう…ろ好きなものに貪欲な姿勢を……評価するわ……」

「これは雫が勝手に腹筋を見せただけで……」

「水無月くん、岩崎さん美人さんだから、彼女にしたいのわかるかもしれない……」

ここから誤解を解くのに5分かかった


「岩崎さん……水無月くんこれからチェスの練習するために借りるけど大丈夫かしら?」

チェスにエントリーしたのてっきりオレだけだと思ったのだがどうやら違ったらしい

よく詳細見ないでエントリーをしてしまった

動きたくなかったからね

「麟斗と一緒がいいけど……でも……岡北さんがあたしの相談に乗ってくれるならいいよ!」

「なら交渉成立ね あなた達ナイスコンビって感じするわね」

そんなにいいコンビか?

雫を見るとご満悦のような顔をして

えへへ〜と言っていた


オレ達はひとまずチェスの試合をすることにした

「手加減しないけどよろしくね」

その言葉の数分後オレは岡北さんに見事にボコボコにされて

「あなた……まさか動きたくないという理由だけでチェスにエントリーしたわけじゃ……」

「察しのとおりです……」

「嘘でしょ……」

オレは隠しておきたかったエントリー理由を知られてしまった……


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次回

決起会


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