第16話 決起会
そろそろ体育祭の本番が近づいてきた頃
「ねぇみんな、体育祭前日に決起会をしようよ」
なんかいつの間にかクラスリーダーみたいな立ち位置になってたサキの隣の席のイケメンこと霧咲が決起会を開こうと言った
「いいねいいねー!」
「やろうやろう!」
あーイケメンはいいですねー
提案したら女子がキャーキャー言って
もうかなりの女子目がハートマークになって霧咲のこと見つめちゃってるじゃん
モテるやつは羨ましい……
オレもモテる要素あればサキと恋人になれたのかなぁと
時々思ってしまうこともある
「男子のみんなはどうかな?」
男子は結構霧咲のことを冷たい視線で見ている
しかし
「あーしは優太の意見に賛成だよ?」
女版霧咲と言ったらいいのか?
女子の中でも発言力はあって
霧咲の次にクラスリーダーに近い存在とオレは思っている黒谷が男子を誘ってきた
あ、男子たちも決起会に行くと言い始めた
何を隠そう彼女もまたモテるのである
オレはそういう奴らと絡む性分ではないので決起会は行かないと思った
「ねね!麟斗もわたしと一緒に決起会行こ!」
前言撤回
やっぱりサキと一緒なら決起会は行く
ていうかどうしてサキも決起会に行きたがるのだらうか?
理由が気になったので聞いてみることにする
普通に霧咲とお近づきになりたいからとかじゃオレはしばらく引きこもる自信があるぞ
「んー、普通に友達に誘われたからなんだよねぇ……
麟斗誘ったわけは、やっぱり麟斗も他の人と関わってった方がいいと思うし、人いっぱいの方が楽しいしね!」
やっぱりサキは優しいなぁとオレは思った
「んー、わたしと一緒に行く?」
マゼンタの瞳でじっと見つめて、小首を傾げてオレに問いかけてくる
「サキと一緒なら」
気づいたらオレはそう答えていた
「 な、なぁ、麟斗、決起会あたしと一緒に行くか?」
雫と練習している時にいきなりそんなことを言われた
「オレも決起会行くよ」
まぁどうせサキと決起会行く予定なのでそう答えておいた
「よかった……」
雫も決起会来るらしい
知り合いが少ないと気まずい雰囲気になりそうだから居てよかった
「明日はみんなで頑張るぞー!乾杯!」
「「「「「乾杯!」」」」」
霧咲の掛け声のあとみんなで乾杯する
と言ってもオレはその時まだドリンクバーでどのドリンクにするか選んでる最中だったのだが…
オレ空気になっちゃった?
そんなことを思いつつ席に戻ると
「あー!やっと麟斗戻ってきたよ〜」
サキが隣の席で待ってくれていた
「乾杯に間に合わなかったな、悪いなサキ」
「大丈夫だよ わたしたちで乾杯しよ?」
本当にサキは優しいな、とオレは思い
オレとサキは乾杯する
グラスとグラスがぶつかってカチンという音がする
その直後に
「麟斗!探したぞ!あたしと楽しもうぜ!」
「あなたは……ちょっと前話題になった岩崎さん?」
オレはサキの言葉に頷くと
「なんであなたが麟斗と一緒に?」
「なんたってあたしと麟斗は"パートナー"だからな!」
「な……なんであなたなんかの人と麟斗が!」
「別にいいだろ!それよりなんで麟斗とパートナーなだけでお前から怒られなきゃならないんだよ!」
「幼馴染として心配になっただけ!」
雫とサキがなぜか言い合いを初めてしまった……
サキなら大丈夫だろうと思って練習相手を雫と言わずに女子とだけ言っておいたから
それが悪かったのか?……
地味にちょっと大きな声なのやめてくれ……
周りから注目集めてしまってる……
いたたまれなくなって思わずオレはその場を離れ、数分後戻ってきたら雫とサキは楽しそうに話していた
仲直りしたのはいいが
結局あの口論なんだったんだ?
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次回
体育祭〜本番〜
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