かわいい幼馴染と釣り合わないオレ

第11話 思い出

サキに連れられて服屋さんにやってきた

「さぁ麟斗、わたしが改造しても〜っとかっこよくしてあげるっ！」

サキは腕を組んで高らかとそう宣言した

「サキは何か買わなくていいのか？」

オレはちょっと心配になったが

「わたしはへーき！よくオフの時友達と一緒に買うし」

うぅ……オレもそんな友達ほしい……

「わぁ！すごいすごい！似合ってるよ！かっこいい！」

まずは無難にシャツとズボン

サキはぴょんぴょん跳ねて喜んでいる

オレがかっこよくなるはずないんだけどなぁ…

「おぉ〜！これもいいね〜！かっこいい！」

次はパーカー

後ろに付いてる帽子みたいなやつで頭を隠すことができて落ち着く

オレが個人的に好きな服だ

またサキは褒めてくれた　なんでだ…？

「やばい！麟斗すごい！すごいよ！何でも似合うじゃん！」

次から次へとサキが渡してくる服を着ているオレだが、どうやら全部似合ってるらしい

デニムジャケットにデニムシャツ

カーディガンやカットソーなど色々な服を試してみたが全部似合ってると言われて正直嬉しい

しかも現役モデルからだ

現役モデルにファッションを監督してもらってるだけで羨ましいと思うが、似合ってるやかっこいいとも言われた

これはもうご褒美としかいいようがないのである

サキはオレが試着した服を購入し、

「わたしからキミへのプレゼントだよ！ちゃんと着てね？」

とプレゼントされてしまった

やっぱりサキは優しいなぁ、とオレは思った

ん？ゲーセンとぬいぐるみと見合ってないって？

あ〜、ちょっと気にしてるよ

けどサキが大丈夫って言ったから大丈夫と信じることにする

あとせっかくの初デートのプレゼントなんだ

拒否するわけにはいかない

「次は小物だよ！女の子は以外と細かいところまで見るからね！」

雑貨店に連れてかれた

アクセサリーやバッグなどが並んでいる

サキはどうやらネックレス売り場のところで悩んでいる

「どうかしたのか？」

オレはサキに声を掛ける

サキはびくっと体を震わせてこちらを見て

「えへへ〜麟斗とペアルックしたいけど……迷っちゃって……」

そこにはハート型のネックレスが2つ

マゼンタ色かルビー色か

オレはマゼンタがいいと思った

なぜかって？サキの瞳の色と同じだからだ

せっかくの初デートなんだ　

好きな人の体の一部とおんなじ色がいい

「わたしは、ルビー色がいいの、でもね、それは……」

そこまで言ったがその後が少しオレには聞き取れなかったが

「……だから、マゼンタにしようか迷ってるの」

「オレはマゼンタがいい」

「ほぇっ？」

サキはそんなかわいい声を漏らした

「オレはサキの綺麗な瞳とおんなじ、マゼンタがいいんだよ」

「あうぅ……恥ずかしい……」

赤く染まった顔をおさえ、目をぱちぱちと瞬きさせるサキ

「これはオレとペアルックするために買うつもりだったんだろ？

その気持ちだけでオレはすっごく嬉しいよ」

「はぅぅ……」

サキがもっと赤くなってしまった

こっちも恥ずかしくなって赤くなってしまいそうだ

オレは当たり前のことを言っただけなのに

「んもう、キミはほんとにそういうところ…じゃあマゼンタにするね？」

そうしてオレたちはマゼンタのハート型ネックレスでペアルックをしたのであった

オレは初デートの思い出のものとしてずっと大切にすると誓った

「んー、そろそろデート終わりかな？楽しったね〜！」

「うん！」

時間が経ったし歩きっぱなしで疲れてきたため今日のデートはここまでとなった

あ、そうだ、1つ忘れていた

「サキ」

オレをサキを呼んで、

「今日は何から何までありがと」

と感謝を伝えてほっぺにキスをした

「うぅ……はうぅ……」

サキが混乱してる時に

アクセサリーを買った雑貨店で

オレがサキにプレゼントするために買った帽子を被せる

「ほぇ？」

サキが困惑しているので

「オレからのプレゼントだ　似合っててかわいいよ、サキ」

サキはさらに顔が赤くなって、

「麟斗の、ばかぁ……」

と、いい

「でも、そういうとこ、好きだよ」

と言われたので、ドキドキが止まらなくなった

だって好きな人から好きって言われたんだよ？

嬉しいし心臓がうるさくなっても仕方ないんだ

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次回

体育祭〜競技決定編〜