第8話 いちゃらぶデート

まずい

まずいまずいまずいまずいまずい

今日はデートだが、好きな人と一緒というとこなのでおしゃれをしなくてはならない

しかしクローゼットを開けるとたくさん服があってどれにしようか迷ってしまう

「ドウシヨウ……サキとデートするから元の素材に差がありすぎるとしても、ちゃんと服選ばないと……」

オレは朝の4時に起きて顔を洗って髪もセットして今は5時30分だ

デートは9時から始まるので時間はたっぷりあるが

準備は何時間かかってもかまわないので

じっくり時間をかけて大切なデートのための準備をしていた

「どうすれば……」

オレは窮地に陥ってしまっていた

そんなときに

「かわいい弟のために一肌脱いであげるよ」

と、救世主の声が!


「き……救世主様ぁ……

好きな人とのデートに着る服どうすればいいのかわからないのですが……

どうすればいいのでしょうか?」

「ふ〜む……」

救世主様ことオレの姉のあや姉がオレの顔や体をじっと見て

「…髪型そのままがいい?」

そんなことを聞いてきた

オレの髪型は覚悟の現れでもある

右目を隠しているアシンメトリーの髪型

だからオレは

「ああ、そのままで頼むよ 救世主様」

「りょーかいっ!」

ファッション知識が乏しいオレにとって、あや姉はほんとに救世主みたいだった


「できたできた!さすが私の弟!かっこいい〜!」

「オレはそんなにカッコよくはないよ」

「またまた〜そう謙遜せず〜」

謙遜したつもりは全くないのだが……

オレはただ普通にそこにある事実を述べただけなのに否定されてしまった……

そして今はなんやかんやで7時である

そういえばまだ朝食を食べてなかったので

朝はパン!なのでオレたちはパンを食べた

ちなみに料理はオレがした


今は8時である

デートの始まる時間より1時間早く来てしまった

「あ!麟斗〜!」

天使のようなかわいい声が聞えたのでそちらに目を向けると

とてもかわいい(語彙力不足)サキがそこにいた

綺麗な蒼銀の髪とマゼンタの瞳

白くて毛穴が1つもない白い肌

細くて長い脚

細いけど出てるとこは出てるスタイル

全部が完璧でかわいい

オレはそんなサキを見て目が釘付けになってしまった


「ねぇ!何か感想くらい言ってよ!わたし頑張っておしゃれしてきたのに……」

サキが悲しそうにこう言ってきたので

「すっごくかわいい サキは元からかわいいけど、そのかわいさが更に増した感じがする」

そう口にすると、サキはちょっと照れながら

「えへへ〜ありがとっ!この服実はモデルの先輩が買ってくれたものなんだ〜!」

ありがとう先輩 これからもサキをかわいがってあげてください

「それじゃ、デートしよ!」

サキはそう言い、オレに手を差し伸べてきたので、オレはぎゅっと手を握った

もちろん恋人繋ぎで

まるで本物の恋人みたいでドキドキする

「えへへ…周りからはどんなふうに見られてるんだろ…?」

サキが小首を傾げながらそうオレに聞いていた

オレは

「そうだな……嘘告カップル……じゃないか?」

そう返した

実はちゃんとした理由がある

サキはめちゃくちゃかわいいが

オレは所詮冴えない男子だ

サキのようなめちゃくちゃかわいい子がオレみたいなやつを普通は連れ歩かない

めちゃくちゃかわいい子は陽キャが多いという個人的な偏見があり、オレは陰キャという自覚があるので

嘘告カップルという結論に至ったわけだ

「そうなんだ……ふーん……」

サキはちょっと不満そうだ

「どうした?何か不満なのか?」

オレはそう聞くと、

「いや?別に?それよりここの店のカップル限定ジュースってやつ飲みに行こうよ!」

「いいよ どんなジュースか楽しみだ」

今日は眠気がないのでエナドリじゃなくてもいいのだ!


店に着いて早速カップル限定ジュースを頼む

そしたら結構大きめのジュースにハート型のストローが付いてやってきた

店員さんが

「もしよかったら写真撮りましょうか?」

と聞いてきた

果たして何の写真なのだろうか?オレにはまったくわからない

するとサキは

「お願いします!」

と言い、オレにジュースを飲めと言ってきて仲良くジュースを飲んでると


パシャッ!


という音が鳴り、写真を確認するとハート型のストローで仲良くジュースを飲むオレとサキがあった

まるでバカップルじゃないか

とオレは思い急に恥ずかしくなってしまった


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次回

いちゃらぶデート 其の2

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