第7話 気分転換
なんでこうなってしまったのだろうか?
理由はオレのせいだ
オレがちゃんとしてればサキは赤点を回避できたらず
補修せずに済んだはず
だからオレはとんでもないことをしてしまったのだ
今オレはサキを待っているのだが、答えを教えてあげたい!でも教えちゃったらサキが怒られちゃう……
というような負のスパイラルに陥ってしまっている
「麟斗〜!補修終わったよー!」
補修が終わったサキがオレに抱き着いてきた
いくら人目がない空き教室とはいえバレたら大変なことになる
でも今は大好きなサキが抱き着いてきてるからそれを楽しむこととしよう
サキからはとてもいいにおいがする
あと、柔らかいものが当たって嫌でも意識してしまう
「んん〜っ!」
サキはオレのほっぺに自分のほっぺをすりすりさせている
サキのほっぺ、柔らかい……
ちなみにオレもサキも身長は同じくらいである
さすがモデルさん 身長が高い
「ねぇ、麟斗、わたしの目を見て?」
耳元でそう呟かれ、サキの綺麗なマゼンタの瞳をじっと見つめると
「久しぶりに見る麟斗のオッドアイ、かっこいいなぁ〜!」
オレの髪を手で上にあげて、サキがそう言った
かぁぁという顔が赤くなる感覚がした
好きな人からかっこいいと言われたのだ
照れないわけが、ない、
「んっ……して……」
サキが甘い声でおねだりしてくる
オレは
「じゃあするからな」
と言い、オレはサキのほっぺにキスをした
サキのほっぺは柔らかい
好きの気持ちをいっぱい込めてキスをした
オレ達は学校から帰り、今はサキの部屋にいる
サキの部屋は女の子らしくぬいぐるみや雑誌がたくさんあり、モデルだからなのか服やコスメもたくさんある
「むぅぅぅぅ〜っ!」
どうやらサキは不機嫌だ
「どうかしたのか?」
「今日こそ唇でキスできると思ったのに……」
ダメだ、だめなんだよ
オレなんかがサキの唇を、ファーストキスを奪ってはいけないんだ
だってオレはサキに見合わないのだから
「いつかわたしがキスの撮影したりするかもしれないよ?」
「そうなったらサキは大人の階段を登ったってことになるな」
「だから、予行とかもしたいし、それでね!」
「オレじゃなくてもいいだろ?」
「そういうのはす……心が分かりあえてる人がいいの!」
心が分かりあえてる、か
サキがそう言ってくれてすごく嬉しい
そして、サキはこう言ってきた
「明日、"デート"しよ!」
いつもサキはオレとふたりきりで出かける時はお出かけや遊びとか言うのに
デート
という表現を使ってきた
「……オレなんかでいいの?」
「うん!ていうか麟斗じゃなきゃいや……」
「オレじゃなきゃ?」
「うん!だからね、おねがい」
サキは上目遣いでねだってくる
好きな人からかわいいおねだりされて断ることなどできないだろう
「わかった、いいよ」
「やったぁ!デート!デート!」
サキはとても喜んでいた
「わたしが赤点を取って、麟斗すっごい苦しそうだったからさ、気分転換ってことで!」
まさかサキがオレのことを思ってくれてこのデートを提案してくれたとは
やっぱりサキは天使だ
「ありがと、サキ」
オレはサキに感謝を伝え、ぎゅっと抱き締めた
「んもぅ、甘えんぼさんね……」
そうだよ、オレはサキに思いっきり甘えたい甘えんぼさんだよ
サキのきれいなマゼンタの瞳、サラサラでいい匂いがする蒼銀の髪、細くて、柔らかくて折れてしまいそうな白い四肢、
甘い声、ちょっと熱っぽい吐息、その全部が愛おしい
やっぱりオレはサキに惚れているなぁと思った
でもこの想いは隠さなければならない
なぜならオレはサキに見合ってないのだから
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次回
いちゃらぶデート
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