第6話 思わぬ小テストと赤点者

「ねぇ麟斗〜!一緒に勉強会しよ!」

「うん、わかった」

オレは学校から帰ったあとサキから誘いを受けた

ちなみにサキよりオレのほうが成績はいいが、オレは勉強を教えるのが下手なのである

だから心配なのだが……

オレとサキは勉強会を開き、一緒に勉強をするのであった

好きな人とする勉強って嫌だけどしたいよね!


時の流れというのは早いものである

オレは新しい友達が出来ずに4月の終わりを迎えてしまった

つまり失敗してしまったのだ

やらかした……と落胆している暇などない

なぜなら今日は小テストの日だからだ

正直言ってオレのコンディションは絶不調だ

なぜなら昨日遅くまでゲームしてたからだ

試験前だったらやめたらどうだって?

でもやめられなかったんだよ


「ふわぁぁぁ……ねみぃ……」

「ちょっとあなた大丈夫なの?そんなに大きなあくびをして」

「大丈夫大丈夫、ゲームと現実の違いくらいはわかっているさ」

「そういう問題じゃないのだけれど……」

隣の席の岡北さんはオレを心配してくれてる

なんで他の人にも接しないのだろうか?

そんな疑問が頭をよぎるが今はこれから始まる小テストに集中するとしよう

「みんな!絶対に赤点を回避しよう!テストが終わったらカラオケに行こうね!」

とイケメンこと霧咲がそう口にすると

女子からは黄色い悲鳴が聞こえ

男子は気合を入れた


正直言おう

女子の黄色い悲鳴というのは非常に耳に悪いのでやめていただきたいのがオレの気持ちだ


1つ目のテストが終わり

オレは中々の感触だった

この小テストは39点以下が赤点のため回避している自信があった

「その髪型、大丈夫なの?」

「なんだ?いきなりそんな質問をして」

休み時間、サキがいきなりこんな質問をしてくる

ちなみにサキは本人の希望でオレとも休み時間話したいと言ってきた

ワンチャン変な噂とか流れるかもしれないけど……大丈夫なのかなぁ?

「その髪型だったら右目が隠れて見えないでしょ?アシンメトリー?だっけ?」

「うん でも平気だよ もう慣れたし」

「そっか、それならよかった」

このアシンメトリーはオレなりの覚悟というやつでもある

あと高校デビューでイメチェンとか結構よくあることだと思うのだが実際はどうなのだろうか?


なんやかんやあって小テストは全て終わった

今日は結果発表の日だ

早速見てみると

オレは全教科赤点回避で英語と数学で同率1位だった

「中々やるじゃない」

隣の席の岡北さんがそう言った

オレは彼女がまさかの全教科5位以内という事実を知ってしまった

ちなみに彼女は3位だった

余談だがオレは7位

ラッキーセブン!やったー!とか言ったらあら?負け犬の遠吠えかしら?と言われそうな気がしたのでやめといた

「お前……頭いいんだな……」

「ま、これくらい取らなきゃやってられないわ」

「ガチかよ……」

「あなたも眠そうにしてた割にはかなり点数いいじゃない しかも同率だけど1位が2つって」

「眠いのは慣れっこだからな」

「慣れたくない慣れね……」

うん、慣れないほうがオレはいいと思う

しっかりと脳が働いてなきゃベストコンディションは発揮されないからな


「うわぁぁぁぁん!麟斗ぉぉ〜!赤点取っちゃったぁぁぁ!」

サキがオレに泣きついてきた

泣きつくサキもかわいい!

とはオレは一瞬だけ思ったが、ものすごい罪悪感がオレを襲ってきた

「サキ、ごめん、オレのせいだ、ほんとに、ごめん、オレが、オレがもっとちゃんとしてれば」

オレはなんとかサキに言葉をかける

「ううん、麟斗は悪くないよ わたしが、わたしの実力不足だから」

違う 違うんだよ

悪いのはオレだ

オレがもっと頑張れば、もっとちゃんとしてれば

結果は変わってたのかもしれないのに

やっぱりオレはサキに釣り合わない

「ごめんな、サキ」

オレはそう言い、残りの授業を全部気を紛らわせるためにこっそりゲームしたりラノベを読むのであった


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次回

気分転換

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