第3話 Bクラスの面々たちと質問攻め

「麟斗、朝だ、起きろ」

「サキぃ、だいしゅきぃ……」

「その大好きなサキちゃんが待ってるぞ」

「サキー!今すぐ準備するから待っててー!」

サキに待たせるわけには行かない

これはオレのプライドでもありしなければいけないことだと思ってるからだ


「あ、麟斗!おはよ!」

まるで天使のような笑顔をオレに向けてきたのは幼馴染のサキ

あ、やば、かわいすぎる

「おーい!ちょっとー!」

「……はっ!」

オレはサキがかわいすぎるあまり昇天しかけていた

「だいじょうぶ?」

サキは小首を傾げ、マゼンタの瞳でじっとオレを見つめてきた

やばい、かわいすぎる

「学校一緒にいこ?」

サキはオレに手を差し伸べてきたので、それをしっかりと握り、オレ達は学校へ向かった

相変わらず周りから向けられる視線には慣れないが


オレとサキは同時に教室に入る

すると女子からは変な視線でオレは見られ、男子はサキに夢中になっていた

やっぱりわかってたけど辛いものだな

心がズキズキと苦痛を訴えてるがそれを無視して自分の席に着く

いきなり隣の席の女子が

「あなた昨日自己紹介しなかったわね?まぁ私もだけど、どうしてしなかったのか教えてくれるかしら?」

と聞いてきた

「そもそもとして自己紹介する必要あるのか?」

オレはそう返す

「まぁそう返ってくることは容易に想像できたわ

私の名前は岡北朱音(おかきたあかね)よろしく」

「……水無月麟斗だ」

なんか向こうだけ名乗らせるのは可哀想だったので適当にそう返しておく

「なんか不思議ね、あなたの髪色はルビーレッド その色言葉は情熱よ なのにあなたから情熱はこれっぽっちも感じないわ」

まぁ自由という意味もあるんだけどね?

ていうか髪色に性格は反映されるとは限らないじゃん?

しかし岡北さん的には不服だったのだろうか?

なんか嫌そうな顔をしている


徐々に時間が過ぎ、生徒たちが集ってくると、オレは何もしてないのに男子生徒から質問攻めに遭ってしまった

岡北さんは嫌な予感を察知したのか教室にいなかった

「なんでこんなかわいい娘が幼馴染止まりなんだよ!」

「ねぇねぇ俺に紹介してくれない?」

「結婚の約束とかしたのー??」

「おいお前ら、そんなに一気に質問してもオレは聖徳太子、別名厩戸皇子じゃないから全部答えられないぞ」

「ぐっ!」

「じゃあなんで昨日自己紹介しなかった!?」

「する必要がないと感じたからだ」

「はぁ?」

「幼馴染の子の名前は?」

「お前に教える筋合いはない」

「えっ……」

オレがそのように対応していると、

「はいはい!君たちグイグイ行き過ぎ!赤髪の人困っちゃってるでしょ?」

こいつ……いい奴だ!

と思って顔を見たらサキの隣の席のイケメンの霧咲だった

霧咲ぃ!お前に絶対にサキは渡さない!

「えぇっと……水無月くん、だっけ?僕はみんなと仲良くなりたいんだ だから僕から君にみんなのことを紹介したいんだ」

「紹介?」

「うん、昨日の放課後の自己紹介のとき、君はあの場にいなかった、だから僕がこのBクラスの人たちを紹介するよ」

「待て、全員はいい、お前とあと…5000メートルのタイムと1500メートルのタイム間違えてるやつと厨二病の自己紹介は聞いた」

「山田くんとミランちゃんでしょ?名前は言えないのによく内容は言えるね……」

「オレなりの配慮のつもりだったんだが……」

「まずは黒谷愛(くろやあい)さん 彼女はもう一部の女子グループのリーダー的存在で……」

と、オレは霧咲の説明を受ける

やっぱ陽キャすごいなぁ、と思いつつ目をサキの方に向けるとすごい心配そうにオレを見つめてきた

心配そうに見つめる姿もかわいい!

サキで頭がいっぱいになってる間に霧咲の説明が終わる

「大体こんな感じかな?わからないことがあったら何でも聞いてね」

「わかった ありがとう」

あれ?霧咲やっぱ以外といい奴かもしれないぞ?


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次回 いざ!初授業!







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