第三話 更新し続ける事、それが一番大事かも
『カクヨムコン9』では、最終週のランキングにおいて、「★0」が、各ジャンルともに七割から八割を占めている事は、前回の「話」で確認した通りです。
こういった次第で、全てのジャンルにおいて類似の現象が起こっている、という前提の下、ここでは、当初の方針に戻って、書き手が参加した「現代ファンタジー」部門を対象とし、分析・解釈を試みる事にします。
さて、最終週の星の数が同じように、「★0」であるにもかかわらず、三〇〇位台から一八四四位までの約一五〇〇作品に星が入っていなかった分けですが、同じように無星なのに、片や三〇〇位、片や一八〇〇位台、この結果は、一体いかなる原因から生じているのでしょうか。
星が無くても、各話に入っている「♡(ハート)」の数、ハートが無くても読まれている「PV」の数などが順位の差として表われている、とも考えられますが、星無しに加え、ハート無し、PV〇の作品も多々あるので、星・ハート・PVの数だけが順位の要素ではないようです。
そして、ランキングの最終頁を眺めていた際に、そこに表示されている作品の最終「更新」年が古い、という事に気付いたので、各順位ごとに〈最終更新年〉で検索をかけてみる事にしました。
一八〇〇位台(四四作品)
二〇一六(六)、二〇一七(十)、二〇一八(十五)、二〇一九(十三)
この順位台には、「更新」が二〇二〇年以降の作品は一つもありませんでした。
一七〇〇位台
二〇一九(六)、二〇二〇(四六)、二〇二一(四八)
ここでは、二〇一八年以前と二〇二二年以降の作品は見止められませんでした。
一六〇〇位台
二〇二一(十二)、二〇二二(八八)
この順位台で確認できたのは、最終「更新」が二〇二一年と二〇二二年の作品だけでした。
一五〇〇位台
二〇二二(十三)、二〇二三(八七)
この順位台で確認できたのは、最終「更新」が二〇二二年と二〇二三年の作品だけです。
一四〇〇位台
二〇二三(九八)、二〇二四(二)
この順位台に二〇二四年更新の作品が二つ確認できたのですが、両作品とも、更新月は、コンテスト終了後の二月でした。とまれ、この二つを除く、二〇二三年更新の〈月〉の方を見てゆくと、九月以降の作品は一作品もありませんでした。
一三〇〇位台
二〇二三(一〇〇)
ここでは全てが二〇二三年で、最終「更新」は全て十一月以前でした。
一二〇〇位台
二〇二三(九七)、二〇二四(二)
二〇二四年の二作品は、一四〇〇位台と同じように更新月は二月です。
一一〇〇位台
二〇二三(九九)、二〇二四(一)
ここでも二〇二四年の一作品の更新月は二月です。
一〇〇〇位台
二〇二三(八二)、二〇二四(十八)
この順位台から二〇二四年の作品が増えてきたのですが、しかし、二月更新の一作品を除くと、更新は「一月二日」が最も近い日付です。
九〇〇位台
二〇二四年一月(九三)、二月(七)
二月更新の七作品を除くと、順位は更新日が近い順です。
八〇〇位台
二〇二四年一年(九八)、二月(二)
これも、二月更新の二作品を除くと、順位は更新日が近い順です。
七〇〇位台
二〇二四年一月(九三)、二月(七)
これまた、二月更新の作品を除くと、順位は更新日が近い順です。
六〇〇位台
二〇二四年一月三十一日(三一)、二月一日(三〇)
この順位台は、執筆締め切り日である二月二日以降更新の作品が三分の一ほどあるものの、原則、日付が近い順です。
五〇〇位台は、全ての更新が二月二日以降で、更新が最近の作品も確認できるものの、二月六日から二月二日更新の作品がきれいに並んでいます。
四〇〇位台も全てが二〇二四年、しかも二月以降の作品ばかり、つまり、最近更新した作品を除くと、更新が近い順です。
三〇〇位台
二〇二〇(一)、二〇二二(三)、二〇二三(二〇)、二〇二四(七六)
三〇〇位台は、「★0」の最上位が確認できるゾーンなのですが、ここから、順位のロジックが更新の近い順ではなくなっています。
二〇〇位台
二〇二二(一)、二〇二三(十七)、二〇二四(八一)
一〇〇位台
二〇二二(一)、二〇二三(十四)、二〇二四(八五)
〇〇位台
二〇二三(二)、二〇二四(九八)
さて、各順位台ごとに、〈最終〉「更新」〈年〉、あるいは〈日〉という観点から、ざっと統計をとってみました。
これはあくまでも、コンテストの読者選考期間の最終週のデータなのですが、少なくとも、ここから推測し得る事は、原則として、更新日付が近い順に並んでいる三〇〇位台後半から一八〇〇位台の、参加作品の八割は、おそらく、最終週に、星もハートもPVも入っていない事で、これらは、更新もされてさえいない、コンテストに登録しただけの、こう言ってよければ、〈記念応募〉作品であるように思われます。
そして、「現代ファンタジー」に関しては、上位約四〇〇作品は、更新日順に並んでいない事によって、逆説的に、星・ハート・PVといった何らかの評価が入っている、と推察できます。
さらに、上から四〇〇作品において、二〇二四年更新作品が八割以上を占めている事実は、作品を〈更新〉し続け、こう言ってよければ、読み手にアピールする事の重要性を物語っているのではないでしょうか。
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