第二話 なんだかんだで他のジャンルの星も観測してしまった

  「現代ファンタジー」(三××/一八四四)


 当初は、自分が参加した部門の星だけを見てみるつもりだったのですが、結局、他ジャンルの「★0」も観測してしまいました。


  「異世界ファンタジー」(八××/四一七九)


 現在のライトノベル・アニメ界の主軸たる「異世界ファンタジー」、この人気ジャンルの参加数は、カコヨムコン9参加の〈一二三〇九〉作品中〈四一七九〉(二〇二四年二月十一日現在)にも上り、つまり、カクヨムコン9参加作品の三分の一がこのジャンルにエントリーしています。


 これだけの数だと、読まれる作品が多い反面、読まれない作品もあり、最終週の「★0」は八〇〇位台の中盤に確認でき、全体の約八割は最終週に星が付かなかった分けです。

 分母が違うので、実数は異なるのですが、最終週において星が入ったのが約二割という点は「現代ファンタジー」と同じようです。


  「恋愛(ラブロマンス)」(二××/九七二)


 このジャンルの参加作品は〈九七二〉で、最終週の「★0」は二〇〇位台中盤、最終週に星が入っていないのは、全体の約七割五分、読まれている作品のパーセンテージは、二つのファンタジー系ジャンルよりも五パーセントほど上がっているようです。


  「ラブコメ(ライトノベル)」(四××/一四四三)

 

 漫画・ライトノベル・アニメ界のツートップの一角たる「ラブコメ」、その参加者数は「現代ファンタジー」の〈一八四四〉よりも少ない〈一四四三〉で、「★0」の最高順位は四〇〇位台、最終週に星が入っていないのは約七割、このように見てみると、「異世界」と「現代」、これらファンタジー系の二つのジャンルよりも、「ラブロマンス」「ラブコメ」の恋愛の二ジャンルの方が、読まれるパーセンテージが少し高いようです。


  「ライト文芸」(二××/九二〇)


 カクヨムコンにおいては未だ若いジャンルである「ライト文芸」、その参加者は、隣接ジャンルである「ラブロマンス」とほぼ同じ〈九二〇〉、「★0」の最高順位も二〇〇位台と、この点も共通しており、つまり、最終週に星が入っていない割合も七割五分、「恋愛(ラブロマンス)」と「ライト文芸」は色々と似ています。


  「ホラー」(一××/四四三)


 書くのが非常に難しいジャンルである「ホラー」、それゆえにか、参加者も〈四四三〉と少なめで、そして、最終週の「★0」の最高順位も一〇〇位台、約七割五分に星が入っていません。しかし、無星の割合は他ジャンルと変わらないようです。


  「エンタメ」(三××/一九四〇)


 「カクヨムプロ作家」部門は別枠として括弧に入れておいて、最後に「エンタメ」部門を見てみる事にします。

 ファンタジーでも恋愛でもないカテゴリー、SFやミステリー、あるいは歴史といった古の人気ジャンル、さらに、ジャンル区分の枠組みには収まらないような作品が、この「エンタメ」部門にエントリーされているようです。

 このようなジャンルの坩堝たる「エンタメ」なのですが、あらためて数字を確認して驚いたのは、参加総数は全ジャンルの中で第二位、圧倒的トップの「異世界ファンタジー」は不動として、僅差とはいえども、「現代ファンタジ―」や「ラブコメ」を上回っているとは思っていませんでした。

 さて、「★0」の最高順位は、三〇〇位台中盤、読まれているのは約十九パーセント、最終週に星が入っていないのは約八割です。


 まとめてみると、最終週のみのデータなのですが、星無しが八割なのは「異世界ファンタジー」「現代ファンタジー」「エンタメ」、七割五分が「ラブロマンス」「ライト文芸」「ホラー」、七割が「ラブコメ」という結果でした。

 書き手は、一つ前の「話」で、「現代ファンタジー」部門だけを分析して、そこから、他ジャンルも同じかも、と根拠なしに語ってしまったのですが、実際に調べてみたところ、最初の分析の際に抱いた書き手の印象は、どうやら的外れではなかったようです。

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