第7話 強い魔物1(少女視点)
私は数日後あの森へとやって来た。
色々あって、しばらくは騎士団の人と行動を共にする事になった。
今は団長のアリスさんと行動している。
「アリスさん、この辺ですよね。最近魔物が大量に集まっているという場所は」
「そうです。ティアさん、予想では強力な魔物が他の動物や魔物を追い出し、追い出された魔物たちがここに来ていると思います。」
「私達の任務は溢れた魔物の数を減らす事とその強力な魔物の調査ですよね」
「その通りです」
私の言葉にアリスさんは頷く。
数日前からこの森はおかしいと思う。
500年に1体いるかいないかとされるゾンビフェンリルの発生。殺せないとされるはずのそいつが消えてしまった事。
その時に感じた、とてつもない魔力の気配。そして今回の大量の魔物の大移動。
一体何が起きているのだろう。
「ティアさん」
「は、はい!?」
考え事をしていたらアリスさんに名前を呼ばれ焦ってしまった。
「大丈夫でしょうか? 体調が優れないので有れば直ぐに撤収しますが」
「いえ、問題ないです。」
「そうですが。では今回の件の話をしましょう。
私は今回の件は数日前にティアさんが見た件が関係していると思われます。 ゾンビフェンリルの出現は極めてレアです。私達王国騎士の者はその姿を見たことはありません。
そんな個体が出たのにそれがデーモンウルフと間違えられ依頼が生まれた。それが突然ゾンビフェンリルに切り替わった。 ではそれの更新を告げたのは誰なのでしょう?」
!? そうだ、おかしい。
あの依頼は私が見つけた物で、依頼が出たのは1日前。 私が初めに受けたと受付の子は言っていた。
「気付きましたか、私達は突然ギルドからの通達を受けたのです。 フードを被った者がそれを教えてきたと。 何故ソイツは、あれがゾンビフェンリルと気付いたのか? いえ、ゾンビフェンリルだと知っていたのか。私はフードを被った者が仕向けたと考えています。」
「仕向けたってどういう」
私は疑問に思った。 そんな事をして一体何のメリットがあるのか。そもそも仕向けるにしてもどこから用意したのか。
「魔界の侵攻の前準備と、私は推理しています。そうだとすると数日前の巨大な魔力とゾンビフェンリル。そして、今回の件にも納得が行きます」
確かに、魔界からの侵攻ならば納得は行く。だったらあの時の魔力に当てられた、ゾンビフェンリルが怯えてた理由は何故なのだろう。
私は疑問を持ちながらアリスさんと調査を始めた。
*
私達が調査をしていると大量の足跡が聞こえてきた。 足音の正体は大量の魔物だった。
これが今回の件の!
私とアリスさんは、すぐに剣を抜き走ってくる魔物を切って行く。
走って行った魔物の5分の1を討伐した。残りは私たちに目もくれずに逃げて行った。
「アリスさん、やっぱり今回の件は強力な魔物からの逃走による物の様ですね」
私とアリスさんが話をしていると『ドーン』という何かが倒れた様な音が聞こえた。
私たちは直ぐにそちらの方に走り出した。
*
私達が向かったその先。
そこにはアースドラゴンが倒れていた。
5mほどの大きさで文献にある物よりも2倍ほどの大きさがある。
茶色い鱗を持つの二足歩行の翼を持たないドラゴンでSランク冒険者パーティが協力をしても半分は死ぬ。
そんな魔物を弄ぶかの様に 口からの出血以外、外傷を付けること無く殺されている。
「っ!?」
アリスさんもあまりの衝撃に息を呑んでる様だった。
当然だ、こんな化け物遭遇したら私達は死んでいた。
おそらく大量の魔物は、コイツから逃げてたのだ。 しかしアースドラゴンは死んでいる。しかも体温を見るについさっき殺された。つまりこの森には
私達は体が震えていた。そんな時突然声をかけられた。
そこにはフードを被った者がいた。
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後1話だけ視点はこのままです。
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