第8話 地球の在り方

 1975年から日本では出生率の下降が始まり、年金を支えるために少子化が問題になっている。そのため、年金支給開始年齢を引き上げる事ばかり議論になってきた。55歳まで働けば年金暮らしが出来ると思っていたサラリーマンは、今となっては夢のまた夢。人生100年時代が来る昨今、いつまで働かなければならないのか。


 多産多死による、発展途上国の人口増加は止まっていない。また、多産少死から少産少死に移り変わろうとしている現在も、人口増加は止まっていない。だが、日本では結婚観などによって人口減少が始まっている。

しかし、人口爆発による地球温暖化は止まらない。世界人口約78億人の欲求を満足させるための経済発展は、許容量を超えて地球規模の破壊をもたらしている。だが、“すぐに忘れる”のが人間だ。


 積極的に老若男女問わず働けば、晩婚化や未婚化が進むのは当然の結果。結婚をして子育てをしようとしても、日本の社会システムのもとで婚姻は、出産の安定的な機能を果たしていない。日本の出産の約98パーセントは、法律婚夫婦からだ。つまり、日本の婚外子は約2パーセントであり、世界とはかけ離れている。近年、婚外子はフランス・スェーデン・イギリスでは50パーセント前後、スペイン・オーストリア・アメリカでは約40パーセント、ドイツ・オーストラリア・カナダでは約30パーセントと割合が多い。


 一人で食べられなくても、二人でなら食べられると言われていた時代があった。

 しかし、現代は結婚できないほど生活が苦しい若者たち。結婚しなくても楽しく生活ができる若者たち。結婚で自由が奪われたくない若者たち。世間体で結婚しなくても良くなった若者たち。恋愛下手になった若者たち。


 晩婚化は、自然界つまりは地球が欲しているのだろう。熟年に子育てをすると、人口爆発にも歯止めがかかる。先進国の人口減は、売るための人口増や人手不足のための人口増ではなく、みんなが幸せになるための地球規模の適切な人口という事のために、自然の摂理が具現化しているのだろう。


 将来、世界はAI(人工知能)により40パーセントの労働力が奪われると言われている。そんな中、グローバル化により先進国が必要以上の食糧や製品を生産するため、それを担っている発展途上国に森林伐採や労働者確保の形で、地球規模の破壊を増進させている。そして、発展途上国などが飢餓にあえいでいるのをよそに、先進国では食物が廃棄されている。こんな事を永遠に続けているのが、世界だ。


 近年の三種の神器と言われている全自動乾燥機・食器洗い機・ロボット掃除機をどれも持っているという人が、10パーセンにも満たないと言われている。1950年代の冷蔵庫・洗濯機・白黒テレビは、豊かさの象徴だった。1960年代のカラーテレビ・クーラー・自動車は高度成長時代の象徴だったかもしれない。

 しかし、近年は、車はいらない、家はいらないなど、モノ離れや消費離れが加速している。また、恋人もいらないという人たちまで現れてきている。


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落花生家族 本条想子 @s3u8k

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