第27話 おやすみ

 夜一〇時、春が今日は一緒に寝たいと言ったので、翔の部屋で寝ることになった。

「兄ちゃん、これからここでずっとこうして過ごしていくのかな」

 春は、不安そうな寂しそうな声で翔に聞いた。

「ずっとじゃないさ。俺たち、過去へ行ってお父さんもお母さんも助けるんだ。そして、“ゼノ”とかいうウイルスを倒すんだ。だから、ずっとじゃないさ」

「……えっ、お父さんとお母さんはウイルスで死んでいないのに助けられるの!?」

「そうだ。お父さんが亡くなったのは二〇二二年七月四日だろ? 今が二〇二四年九月一二日。タイムマシンで戻れるのは一〇年前までだから約八年以内にタイムマシンに乗れれば、お父さんとお母さんを救うことができるはずさ」

「すごい! さすが、兄ちゃん!」

「そんなに褒めることじゃないよ。そのために、早くタイムマシンに乗らないといけないから、もっと頑張らないとな」

「そうだね。兄ちゃん、絶対二人でタイムマシンに乗ろうね」

「うん。この先、どんな未来が待っているか分からないけど、俺たちなら乗り越えられるさ」

「うん!」

「もう遅いし、寝るか。おやすみ、春」

「おやすみ、兄ちゃん」

 翔と春は、明日に向けて寝た。

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